山陽新聞デジタル|さんデジ

名越一介 先生

夫がEDでも妊娠できる?

Q:32歳の主婦です。夫がED(勃起障害)ですが、妊娠できるでしょうか。

A:ストレス多いからか増えるED 治療薬を併用しつつ人工授精を

 EDや射精障害(勃起できても射精できない)などは糖尿病に起因するケースもありますが、EDの多くは精神的なものとされ、わが国では50歳以下の男性の5人に1人はEDとの報告があります。これらが高じてセックスレスになるケースも増えています。

 現代人はストレスが多いためかEDが増えているとされ、同様のご相談が多く寄せられています。近年はED治療薬が複数開発され効果を上げていますので、お試しになるのも良いかと思います。それで効果が不十分の場合にはED治療薬も併用しながら、早期妊娠成立のために排卵日にはAIH(人工授精)を試してみるというカップルも増えています。

 AIHは洗浄濃縮精子を子宮の中に注入する治療法で、性交渉で妊娠に至らないカップルにもよく行われており、受精に至る確率が通常の性交渉の数倍に増加するとされています。受精するプロセスは自然妊娠と同じように卵管の中で起こりますので、受け入れやすい治療法といえます。費用も体外受精(卵子を取り出して受精卵としてから子宮内に移植する方法)に比べれば大変安価です。1回あたりの妊娠率は10%前後とされています。

 「排卵日に性交渉を持たねばならない」という強迫観念から「排卵時ED」となるケースも増えています。排卵日にはAIHをすることにして、性交渉に関しては妊娠とは切り離してEDの治療をゆっくりと行うことも、夫婦間での納得があればよいのではないかと考えています。

先生紹介

  • 名越一介 先生

    名越産婦人科 院長

    岡山市北区庭瀬231-2

    086-293-0553

    名越産婦人科院長。医学博士。日本生殖医学会専門医。山口大学医学部卒、岡山大学医学部大学院修了。岡山大学付属病院、広島市民病院、府中総合病院、岡山二人クリニックなど勤務を経て2003年より現職。

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