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川上晋一郎 先生

いびき

いびき
 いびきは自覚することがなく、家族に指摘されることが多い症状です。

いびきは睡眠の質を低下させ
高血圧、糖尿病、脳疾患を誘発する


 いびきは軟口蓋(こうがい)、口蓋垂(のどちんこ)、舌根が、空気の通り道である上気道をふさいで狭くするため、呼吸すると口蓋垂が振動し出る音です。

 原因には①上気道の狭窄に関連したもの(口蓋垂が大きい、扁桃・アデノイドが腫れている、舌・軟口蓋が大きい、肥満、アレルギー性鼻炎・副鼻腔炎・鼻ポリープなどで鼻づまりがある、口呼吸、仰臥位睡眠など)②飲酒、睡眠薬、精神安定剤、抗うつ薬など薬物に起因したもの③甲状腺機能低下症など全身性疾患に関連したもの—があります。

 いびきには、疲れや飲酒などによる一時的なもの、習慣性で無呼吸がみられないもの、無呼吸がみられるが睡眠時無呼吸症候群にまで悪化していないものがあります。10秒以上の無呼吸が1時間に5回以上、一晩に30回以上ある時は睡眠時無呼吸症候群と診断されます。交通事故との関係が大きな問題になっています。日本人で習慣的にいびきをかく人は2000万人で、そのうち300万人は睡眠時無呼吸症候群と言われています。いびきは睡眠時無呼吸症候群の予備軍です。

 いびきは睡眠の質を低下させるため、起床時に疲労感が取れておらず、集中力、記憶力、判断力が低下します。高血圧、糖尿病、心臓、脳疾患を誘発すると言われています。

肥満の人はまずやせることが大切
鼻手術、扁桃摘出などで改善する


 いびきの状態は家庭用デジタルカメラでビデオ記録して持参してもらうと診断に有用です。睡眠時無呼吸の検査は睡眠ポリグラフで行います。

 治療は、肥満の人はやせることです。睡眠時あおむけに寝ると気道がふさがりやすいので、横向きで寝ます。アルコール、睡眠薬は避けましょう。歯科用プロテーゼで舌根の落ち込みを防ぐことができます。鼻につけたマスクから高い圧力で空気を送り込んで気道を広げる治療法「経鼻的持続陽圧呼吸法」もあります。鼻手術、扁桃摘出術、軟口蓋形成術で改善します。

 いびきを軽く見ないで、悪化する前に専門医に相談してください。

先生紹介

  • 川上晋一郎 先生

    川上耳鼻咽喉科・アレルギー科

    岡山市南区箕島1273-6

    086-281-3939

    川上耳鼻咽喉科・アレルギー科 院長 医学博士。岡山大学医学部卒業。広島日赤・原爆病院、筑波大学耳鼻咽喉科講師、岡山大学耳鼻咽喉科講師を経て、1991年開業、現在に至る。日本耳鼻咽喉科学会専門医。

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