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平和願う折り鶴 夜空に浮かぶ 4年ぶり、笠岡で「ひったか」

山肌に浮かび上がった折り鶴
山肌に浮かび上がった折り鶴
 ちょうちんの明かりで、その年の世相や話題を夜空に描く笠岡市金浦地区の伝統行事「ひったか」(市重要無形民俗文化財)が17日、二つの山で行われた。新型コロナウイルス禍の影響で4年ぶりとなった今年は、ロシアによるウクライナ侵攻の終結を願う折り鶴などが浮かび上がった。

 金浦湾に注ぐ吉田川を挟んで向かい合う東の行者山と西の妙見山の中腹に、ちょうちん約150個を取り付けた8メートル四方のやぐらを1基ずつ用意。午後7時半ごろ点灯されると、野球の日本代表が3月に優勝したワールド・ベースボール・クラシック(WBC)の頭文字とロゴマークが行者山に、平和を象徴する折り鶴が妙見山に現れ、麓の見物客から歓声が上がった。

 夫と訪れた女性(74)=岡山市南区=は「ずっと来てみたかった行事。落ち着いた町並みと相まって地域に息づく歴史を感じた」と話した。

 ひったかは「火を高くたく」が語源とされ、源平合戦で平家が大軍を装うためにかがり火をたいた故事が由来と伝わる。18日には、金浦湾で源氏方と平家方に分かれて和船がこぎ比べをする「おしぐらんご」も4年ぶりに開かれる。

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