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「美容医療」若い女性の関心高く コロナ禍背景にマスク下の施術増

「美容医療」若い女性の関心高く コロナ禍背景にマスク下の施術増
ほくろを取る前(上)と取った後の写真(河田外科形成外科提供)
ほくろを取る前(上)と取った後の写真(河田外科形成外科提供)
 ほくろを取ったり、唇に色素を入れたりする「美容医療」の需要が若い女性たちの間で高まっている。岡山市内のクリニックを訪ねると、その背景には新型コロナウイルス禍で必須アイテムになったマスクの存在も浮かぶ。全国的には契約を巡るトラブルが取り沙汰されるが、患者からは「肌の悩みが解消された」との声も聞かれる。クリニックに通う彼女たちの心の内は―。

 岡山市北区のエルムクリニック岡山院は20、30代の受診者がメインという美容皮膚科。コロナ禍以降、レーザー照射でほくろやそばかすを除去する治療が増えているそうだ。

 「マスクの下だけの施術を望む患者さんもいらっしゃいます」と高橋徹院長が教えてくれた。術後に貼る患部保護用のシールをマスクで隠せることが好まれているらしい。

 唇に色素を入れる「リップアートメーク」のニーズが高いのは河田外科形成外科(岡山市北区)。色づきは5年ほど持続し、マスクに口紅が付くストレスも解消できるとか。グレーススキンクリニック(同)はマスク着用が原因とみられるニキビの治療に訪れる20、30代が目立つという。

 美容医療の注目度は各種データで見て取れる。市場調査会社の矢野経済研究所(東京)によると、国内の市場規模は公表を始めた2014年が2833億円で、19年は4千億円を突破。コロナ禍が広がった20、21年もほぼ同規模を維持する。

 「ネットで簡単に予約でき、SNSで体験談や症例が分かる。気軽に足を運べる場所になったのだろう」とグレーススキンクリニックの江本正樹院長。

 一方こんなデータもある。国民生活センター(東京)への美容医療に関する相談件数は21年度2766件。22年度は12月末時点で2400件を超え、前年を上回る勢いだ。高額契約に対する苦情や施術部位の痛みなどが寄せられている。

 河田外科形成外科の河田真作院長は「医師から効果やリスクの説明を受け、十分理解した上で契約することが大切。正しい情報を知り、自分の悩みを解決できる選択をしてほしい」とアドバイスする。

利用者の声



 肌トラブル隠せなくなり

 アトピー体質で肌の乾燥や赤みに悩み、頬のそばかすも嫌だった。コロナ禍のマスク着用で化粧が崩れ、外した際に肌トラブルを隠せなくなった。友人が勤めるクリニックでそばかすを取ったら、次はほくろが気になり2月に8個除去。術後に貼る保護テープはマスクで隠れていた。=岡山市、女性パート従業員(30)

 化粧の時間が短くなった

 一重まぶたがコンプレックスで大学生の時から毎日、専用のりを使い二重にしていた。でも肌がかぶれ、アイシャドーもうまくのらない。そんな私に母は「いつか(手術で)二重にしたら」って。3年前にボーナスを使って手術を受けた。両目で30万円ほど。化粧の時間が短くなったし二重になれて良かった。=倉敷市、女性看護師(27)

まいどな岡山

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