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新年度を迎えた。月曜日に入社式…

 新年度を迎えた。月曜日に入社式を控え、緊張している人もいるだろう。この世代は、配属先がどうなるか分からない不安を「配属ガチャ」と呼ぶそうだ▼カプセル玩具の販売機「ガチャガチャ」になぞらえた表現である。数年前に「親ガチャ」という言葉が広まって以来、上司ガチャ、隣人ガチャなど自らの意思で選べないものの例えになった。嘆きや諦めの意味で使われることも多い▼若者が配属先を気にするのには訳がある。大学3年生を対象にした就職情報会社の調査では、入社後の人事について「自分で主導権を持ちたい」と答えた人が7割を超えた。終身雇用が当たり前ではなくなり、自分のキャリアを会社任せにできないと考える人が増えている▼では、配属ガチャで“外れ”だったらどうするか。「人事ガチャの秘密」(藤井薫著)は、配属先で自分の成長を実感できない場合、やりたいことを臆さずアピールする手があると助言する。近頃は会社側も若手の意向に耳を傾ける雰囲気があるとのことだ▼一方で著者自身は希望に反して人事部に配属され、人事の専門知識を身に付けてコンサルタントに転身したという。配属ガチャを前向きに生かす手もある▼自分で決められないことに、そんなに一喜一憂することはない。外れと思ったカプセル玩具に愛着が湧くこともあるだろう。

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