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王妃カシオペヤは、娘の王女アン…

 王妃カシオペヤは、娘の王女アンドロメダを「海神の孫娘たちより美しい」と自慢したあまり、海神の怒りを買った。いけにえとして鎖で岩場につながれた王女。そこへ天を駆ける馬ペガススに乗った勇者ペルセウスが現れ…▼ギリシャ神話だ。これら王妃や王女、勇者たちはいずれも秋の夜空を彩る星座として知られる。今の時季は「星空全体が、まるで絵巻物を見るような楽しさ」(「藤井旭の星座と星座神話」)という▼秋の星座を含め現在、世界共通として定義されている星座は88。国際天文学連合が1922年の第1回総会で、乱立していた星座を整理統合し今年がちょうど100年に当たる▼星座の起源は約5千年前のメソポタミア文明にさかのぼる。シュメール人らが星の並びを英雄や神様、生き物に見立てたのが始まりだ。その後、ギリシャ神話などと結びつき、多い時には星座数は100以上になった、と国立科学博物館のサイトに教わった▼〈たらちねの母がなりたる母星の子を思ふ光吾(われ)を照(てら)せり〉正岡子規。瞬く星の光を仰ぎ見て、優しく語りかけてくれている母の姿を重ねたのだろう▼幾千年も前から人類は今と変わらない星空を眺めていたのかと思えば感慨深い。ある時は伝説の世界に心を躍らせ、ある時は元気づけられながら。星空には見上げる人の数だけ物語がある。

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