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5~11歳のワクチン接種率低迷 岡山県内、冬場の再拡大懸念

小児に新型コロナウイルスのワクチンを接種する青山院長(左)=10日、青山こどもクリニック
小児に新型コロナウイルスのワクチンを接種する青山院長(左)=10日、青山こどもクリニック
 岡山県内の5~11歳の新型コロナウイルスワクチン接種率が低迷している。県の調査によると、21日時点で対象の約11万3800人のうち、1回目を終えたのは18・54%、2回目は17・24%で、国がまとめた全国の数値(22・3%、20・9%)を下回る。国は9月に入り、この年齢層の接種を「努力義務」としたが、副反応などを心配する保護者は少なくない。県内の流行「第7波」は収束局面に入ったとみられるが、冬場での感染再拡大やインフルエンザとの同時流行も懸念される。県や専門家は「発症と重症化予防に一定の効果がある」として接種への協力を呼びかけている。

 毎週土曜に、子どもへのワクチン接種を行う青山こどもクリニック(岡山市北区田中)。5~11歳は毎週約20人が受けているという。長男(8)と次男(5)の接種のため、10日に訪れた母親(37)=同市=は「努力義務にもなり、少しでもリスクを抑えられるならと思った」と話した。

 青山興司院長によると、同クリニックでの5~11歳のワクチン接種は400回以上。接種部位の痛みなどを訴える子どもはいるが、深刻な副反応が出たケースはないという。

 一方、自営業の女性(44)=同市中区=は自身が接種後の発熱に苦しんだ経験から「発症、重症化の予防効果より副反応が怖い」と、長女(8)には受けさせない考えだ。

 政府のデータとは異なり、医療従事者らを含めるなどした県内の12歳以上のワクチン接種率(21日時点)は1回目87・07%、2回目86・66%、3回目71・56%。このうち12~19歳は73・20%と72・37%、39・31%。5~11歳の接種率とは大きな開きがある。

 県内では7月下旬に始まった「第7波」。過去の流行よりも大きな波をもたらし、7月20日~9月25日の感染者数は15万7489人に上る。うち10歳未満は2万5066人で全体の15・9%を占め、年代別で最多となっている。

 感染の急拡大で、重症化しにくいとされてきた小児が重症になり、死亡するケースも増加。国立感染症研究所の調査によると、今年1~8月末にコロナ感染後に亡くなった10代以下は41人で、うち5~11歳は17人。41人中、ワクチン接種ができる年齢で接種歴を追跡できた15人のうち13人は未接種だった。

 森島恒雄・岡山大名誉教授(小児感染症学)によると、免疫機能が暴走して脳症になったり、急な発熱でけいれんを起こしたり、喉の痛みで水が飲めず脱水症状になったりするケースがあるという。

 森島名誉教授は「5~11歳のワクチン接種は重症化を7割、発症を5割ほど防ぎ、副反応も大人より少ないとの報告もある。かかりつけ医とよく相談して検討してほしい」とする。

 県は小児のワクチン接種に関する専門相談窓口(0120―245―061)を設置。医師、看護師の資格を持つスタッフが24時間体制で電話対応しており、3月の開設から8月末までに454件の相談が寄せられている。県ワクチン対策室は「保護者の判断材料となるよう、効果とリスクに関する正しい情報を引き続き提供していく」としている。

 新型コロナウイルスワクチンの5~11歳への接種 海外で安全性が確認されたことなどから、国は対象者に接種を促す「勧奨」として2月にスタートさせ、県内では3月中旬に始まった。まん延防止の観点から、国は9月6日、保護者に接種への協力を求める予防接種法上の「努力義務」を適用。ただ、強制ではなく罰則はない。使用ワクチンは米ファイザー製。有効成分量が12歳以上用の3分の1に減量されている。県内では9月に入り3回目が始まった。いずれも無料で受けられる。

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