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【岡山大学】医療ビッグデータを用いたデータサイエンスによって広がるドラッグリポジショニングの可能性

【岡山大学】医療ビッグデータを用いたデータサイエンスによって広がるドラッグリポジショニングの可能性
国立大学法人岡山大学
岡山大学は10学部・1プログラム、8研究科、4研究所、附属病院、附属学校を有する総合大学型の国立大学法人です。今回、最新の研究成果をわかりやすく紹介する「FOCUS ON」を2022年7月29日に発行しました。ぜびご覧ください!


2022(令和4)年 8月 7日
国立大学法人岡山大学
https://www.okayama-u.ac.jp/




<発表のポイント>


医療現場では、診療記録や医薬品による副作用報告など膨大なデータ(医療ビッグデータ)が蓄積されています。
既存薬の新しい効果を見出すドラッグリポジショニングという研究手法によって、新薬に比べて安く、そして早く臨床現場で用いることができます。
ドラッグリポジショニング研究において、医療ビッグデータと生命科学データ(バイオインフォマティクス)、医薬品構造式データ(ケモインフォマティクス)を組み合わせることによって、既存薬の新しい効果を見出しました。



◆発表者
 岡山大学病院 薬剤部 座間味 義人 教授


◆概 要
 医療現場では、診療記録や医薬品による副作用報告などのデータが、医療ビッグデータとして日々蓄積されています。岡山大学病院薬剤部の座間味義人教授らは、この医療ビッグデータを用いたデータサイエンスにより、既に臨床現場で使用されている医薬品(既存薬)の新たな効果を発見しています。
 既存薬は、有効性や安全性などの情報が多く存在することから、新薬に比べて安く、そして早く臨床現場で用いることができます。
 現代医療には、未だに治療手段がない心停止後症候群といった難治性疾患や、薬剤によって引き起こされる末梢神経障害といった副作用が多く存在します。座間味 義人教授らは、そのような疾患に対して、医療ビッグデータに生命科学データ (バイオインフォマティクス)や医薬品構造式データ(ケモインフォマティクス)を組み合わせた解析手法によって、既存薬の中から治療効果を有するものを見出しました。今後は、標準治療が確立されていない難治性がんに対しても、本研究アプローチを用いることで治療薬開発につながることが期待されます。


◆導 入・背 景
 医療現場では、診療記録や臨床検査値情報など膨大なデータ(医療ビッグデータ)が日々蓄積されています。また、臨床で使用されている医薬品(既存薬)の効能や副作用といった情報も、医療ビッグデータとして蓄積されています。このような医療ビッグデータを用いることで、様々な背景をもつ患者さんが既存薬を使ったときの有効性・安全性を分析することができます。
 また、ヒトや動物、細胞の生命科学情報を蓄積したデータベースを解析することをバイオインフォマティクス、医薬品の化学構造を蓄積したデータベースなどを活用することをケモインフォマティクスと呼びます。
 既存薬の有効性や安全性などの情報が多く存在する医療ビッグデータは、既存薬の新しい効果を見出す研究(ドラッグリポジショニング研究)に適しており、バイオインフォマティクスやケモインフォマティクスは、既存薬の精度の高い新規作用のメカニズムが解明できることから、医薬品の開発段階における活用が期待されています。


◆研究内容、業 績
 岡山大学病院薬剤部の座間味 義人教授、濱野 裕章講師、牛尾 聡一郎特任助教らの研究グループは、主に難治性疾患や薬剤性副作用に対する治療薬・予防薬を開発しています。これらの病態には、従来から効果的な医薬品が少なく、多くの患者さんが苦しんでいます。しかしながら、患者数が少ないことや、病態が未解明であることなどを理由に開発が進んでいませんでした。
 そこで、既存薬の有効性や安全性が得られる医療ビッグデータと、既存薬の新規作用のメカニズムが解明できるバイオインフォマティクスやケモインフォマティクスを組み合わせる、研究グループ独自の手法を用いて、既存薬から治療薬・予防薬を見出してきました。
 近年では、約 2500 万症例の薬剤性副作用報告が集積されたFDA有害事象報告システム (FDA Adverse Event Reporting System: FAERS) データベースと米国 NIH が提供している約2万件の遺伝子発現を類推するデータベース (The Library of Integrated Network-Based Cellular Signatures: LINCS)を用いて、抗がん剤誘発末梢神経障害に対して高脂血症治療剤シンバスタチンが有効であることを見出しています。このようなドラッグリポジショニング研究では、有効性や安全性などの情報が多く存在する既存薬を用いることから、新薬に比べて安く、そして早く臨床現場で用いることができます。
 さらに、見出した既存薬の有効性は、細胞や動物を使った基礎実験によって評価しています。バイオインフォマティクスによって推定したメカニズムも基礎実験で確認しています。データサイエンスと基礎実験から得られた研究結果を、全国20施設以上の医療機関が参画する多施設共同臨床研究によって評価しています。

データサイエンスを基盤としたドラッグリポジショニング研究


◆展 望
 本研究グループによって展開されたドラッグリポジショニングは、がん疾患にも応用可能です。
 標準治療が確立されていない難治性がんに対しても、本研究アプローチを用いることで治療薬開発につながることが期待されます。これにより、多くの苦しんでいる患者さんのもとに開発した治療薬が届くことを目指しています。



FOCUS ON:医療ビッグデータを用いたデータサイエンスによって広がるドラッグリポジショニングの可能性
https://www.okayama-u.ac.jp/up_load_files/press_r4/press20220729-1.pdf



◆参 考
・岡山大学病院
 https://www.okayama-u.ac.jp/user/hospital/
・岡山大学病院 薬剤部
 https://pharm.hospital.okayama-u.ac.jp/
・Global×Localな医療課題解決を目指した最先端AI研究開発人材育成プログラム(文部科学省 保健医療分野におけるAI研究開発加速に向けた人材養成産学協働プロジェクト)
 https://clinicalai.hsc.okayama-u.ac.jp/


◆参考情報
・【岡山大学】データサイエンスを基盤としたドラッグリポジショニングにより抗がん剤副作用に対する治療法を開発
 https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000569.000072793.html
・【岡山大学】インク成分は内分泌かく乱作用を有し、がん悪化に寄与?
 https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000242.000072793.html
・医療サービスに直結するAI研究開発と実践人材を育成 ~岡山大学における『Global×Localな医療課題解決を目指した最先端AI研究開発』人材育成教育拠点の取組~
 https://kyodonewsprwire.jp/release/202102231325


◆参考情報:FOCUS ON
・【岡山大学】全身性エリテマトーデスで免疫力が低下する原因分子を同定
 https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000419.000072793.html
・【岡山大学】酵母が必要としている栄養素を酵母に語らせる技術を開発
 https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000516.000072793.html
・【岡山大学】神経内分泌腫瘍治療への新しい挑戦 ~新しい放射線治療の導入~
 https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000582.000072793.html
・【岡山大学】岡山大学病院麻酔科蘇生科におけるAcute Pain Serviceへの取り組み ~手術を受ける患者様への安全・安心・満足度向上を目指して~
 https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000615.000072793.html
・【岡山大学】フェイクコンテンツの真偽判定技術 ~AIによるウソ発見器~
 https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000703.000072793.html
・【岡山大学】新炭素材料Qカーボンでエネルギー・環境問題に挑戦
  https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000708.000072793.html
・【岡山大学】岡山の古墳人は「炊いたお米」を食べていた? 歯石内残留デンプン粒の検出から得られた新たな知見
 https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000772.000072793.html



岡山大学病院薬剤部が所在する岡山大学鹿田キャンパス(岡山市北区)


◆本件お問い合わせ先
 岡山大学病院 薬剤部 講師 濱野裕章
 〒700-8525 岡山県岡山市北区鹿田町2丁目5番1号 岡山大学鹿田キャンパス
 TEL:086-235-7641
 FAX:086-235-7794
 https://pharm.hospital.okayama-u.ac.jp/

<岡山大学病院との連携等に関する件(製薬・医療機器企業関係者の方)>
 岡山大学病院 新医療研究開発センター
 〒700-8558 岡山県岡山市北区鹿田町2-5-1
 下記URLより該当する案件についてお問い合わせください
 http://shin-iryo.hospital.okayama-u.ac.jp/ph_company/

<岡山大学病院との連携等に関する件(医療関係者・研究者の方)>
 岡山大学病院 研究推進課 産学官連携推進担当
 〒700-8558 岡山県岡山市北区鹿田町2-5-1
 TEL:086-235-7983
 E-mail:ouh-csnw◎adm.okayama-u.ac.jp
 http://shin-iryo.hospital.okayama-u.ac.jp/medical/

<岡山大学の産学官連携などに関するお問い合わせ先>
 岡山大学研究推進機構 産学官連携本部
 〒700-8530 岡山県岡山市北区津島中1-1-1 岡山大学津島キャンパス 本部棟1階
 TEL:086-251-8463
 E-mail:sangaku◎okayama-u.ac.jp
 https://www.orsd.okayama-u.ac.jp/

 岡山大学メディア「OTD」(アプリ):https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000011.000072793.html
 岡山大学メディア「OTD」(ウェブ):https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000215.000072793.html
 岡山大学SDGsホームページ:https://sdgs.okayama-u.ac.jp/
 岡山大学Image Movie (YouTube):https://youtu.be/pKMHm4XJLtw
 「岡大TV」(YouTube):https://www.youtube.com/channel/UCi4hPHf_jZ1FXqJfsacUqaw
 産学共創活動「岡山大学オープンイノベーションチャレンジ」2022年8月期共創活動パートナー募集中:
 https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000794.000072793.html

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 https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000070.000072793.html
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 https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000122.000072793.html


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