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笠岡・北木島 映画の灯再び 「光劇場」復活へ市民連携

笠岡市北木島にあるかつての映画館「光劇場」。映画を通じて島を盛り上げるプロジェクトが動き始めた
笠岡市北木島にあるかつての映画館「光劇場」。映画を通じて島を盛り上げるプロジェクトが動き始めた
笠岡・北木島 映画の灯再び 「光劇場」復活へ市民連携
 笠岡市の北木島に現存するかつての映画館「光劇場」を、再びシネマの拠点に―。笠岡諸島を舞台に、劇場を管理する島の住民らに、市内で定期的に上映会を開いている市民グループが協力し、映画上映を通じて島を盛り上げるプロジェクトが動き出した。昭和20年代後半に建てられた風情ある劇場は、石材業で栄えた島のにぎわいを今に伝える一方、老朽化や人材確保などの面で課題も抱えている。

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 瀬戸内海・備讃諸島の花こう岩と石切り技術をテーマに2019年に認定された日本遺産「石の島」。北木島の光劇場はその構成文化財でもある。島が石材業でにぎわっていた昭和20年代の終わりに営業を始めた。

 同42(1967)年ごろに閉館した後も建物は残り、2014年に島で開かれたアートイベントを機に改修され、翌年には地元住民らが「光劇場友の会」を結成。観光客向けに、石の歴史を紹介する短編映像を上映してきた。産業遺産学会(東京)の推薦産業遺産にも21年度に認定され、そのレトロな雰囲気が注目を集めている。

 ただ、8年前の改修以降、本格的な映画はほとんど上映されていない。「設備の老朽化や防災面の制約が多く、運営スタッフの高齢化も進んでいる」と友の会の山田錠会長(59)=北木西公民館長=は言う。

 一方、笠岡市の本土側では、映画を通して地域振興を図ろうと、映画好きの有志らが21年に「笠岡小さな映画館プロジェクト」(桝平一平代表)を設立した。上映用機材がある市中心部の井戸会館(同市笠岡)を拠点に毎月上映会を開いている。

 光劇場での映画上映に向け、両者は25日に同会館で初会合を開いた。会合では、友の会側からスクリーンや座席の一部に傷みが見られる現状と改修の必要性が報告された。出席者からは「劇場の現状を見てもらうのが第一歩」「何かアクションを起こそう。劇場について考える会を開くことも可能だ」といった声が上がり、まずは劇場の存続に向けた第一歩となるキックオフイベントを開くことで合意した。時期などはこれから詰める。

 両者は、今後も定期的に会合を開いて具体化を進めることを申し合わせた。友の会の山田会長は「この縁を生かし、課題を解決していく方法を見つけたい」と話す。

 山陽新聞社は、地域の方々と連携して課題解決や魅力の創出を図る「吉備の環(わ)アクション」として、映画を通じて島の魅力向上を図る取り組みに参画。紙面などで伝えるとともに、社のリソースを生かして協力する。

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