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雪舞う中の「川ざらし」 津山・横野和紙、ミツマタ洗う

雪が降りしきる中、ミツマタをもみ洗いする康正さん夫婦
雪が降りしきる中、ミツマタをもみ洗いする康正さん夫婦
 岡山県郷土伝統的工芸品「横野和紙(津山箔合紙(はくあいし))」を県内で唯一生産する津山市上横野で21日、原料となるミツマタを川で洗う「川ざらし」が、雪が舞う厳しい寒さの中、今年初めて行われた。

 県重要無形文化財保持者の和紙職人上田繁男さん(79)方では、長男康正さん(56)と康正さんの妻裕子さん(53)が早朝から自宅前の横野川で作業した。石灰水で煮て軟らかくし、川の中で一晩寝かせたものをもみ洗いした。

 洗ったミツマタは機械で砕き、トロロアオイの粘液と混ぜ、紙にすく。この日の津山市の最低気温は氷点下1・4度。川ざらしは年間を通して月1回程度行っているが、冬場は水温が低く不純物が少ないので最適とされる。

 康正さんは「一段と冷え込んだ良い日に始めることができた。使ってくれる人に良い紙を届けられるよう丁寧に汚れを落としたい」と話した。

 横野和紙の生産が始まったのは江戸時代。現在は上田さん方だけが伝統を受け継ぐ。金箔(きんぱく)の保存に用いられるほか、古文書修復などの用途でドイツやカナダなどにも輸出されている。

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