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坪田譲治文学賞に乗代雄介さん 岡山市発表、2月26日贈呈式

乗代雄介さん(講談社提供)
乗代雄介さん(講談社提供)
 岡山市は20日、大人と子どもが共有できる優れた作品を対象にした「第37回坪田譲治文学賞」に、作家乗代(のりしろ)雄介さん(35)=東京=の「旅する練習」(講談社)を選んだと発表した。2月26日に同市内で贈呈式を開く。

 受賞作は中学入学前のサッカー少女・亜美と小説家の叔父が、新型コロナウイルス禍で予定がなくなった3月、千葉県から茨城県のサッカーチームの本拠地まで徒歩で旅する物語。途中で女子大生も加わり、旅を通じて亜美が「本当に大切なこと」を見つけて成長する様子をつづっている。

 乗代さんは北海道出身で、2015年に群像新人文学賞を受けてデビュー。21年には今回の受賞作「旅する練習」で三島由紀夫賞を受賞している。「塾講師をしていた頃、坪田の文章から読解問題を作った。その名を冠する賞をいただき、とてもうれしい」とコメントを寄せた。

 20年9月から1年間に出版された79作品のうち、予備選考を通過した4点から作家の五木寛之さん、阿川佐和子さんら7人の選考委員が審査した。委員を務めた児童文学作家の西本鶏介さんは「候補作の中では圧倒的にすぐれた作品。ありふれた日常にある大切なものを知ることのすばらしさ、興味深い民俗学的考察、いきいきと描かれる少女の成長ぶり」などを評価ポイントとした。

 坪田譲治文学賞は、市出身の児童文学作家坪田譲治(1890~1982年)を顕彰するため市が84年に創設。賞状やメダル、副賞100万円が贈られる。

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