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素粒子ミューオン用い墳丘内調査 岡山大チーム 造山古墳の構造迫る

造山古墳(後方)の近くに設置したミューオンの観測装置を確認する清家教授(奥)と居島准教授
造山古墳(後方)の近くに設置したミューオンの観測装置を確認する清家教授(奥)と居島准教授
 岡山大の清家章教授(考古学)らの研究チームは5日、物質を透過する素粒子「ミューオン」を用い、全国第4位の大きさを誇る前方後円墳・造山古墳(岡山市北区新庄下)の内部を探る調査を始めた。専用の装置を設置して墳丘内を通る素粒子を観測し、埋葬施設の存在やその規模といった未解明の構造に迫る。

 ミューオンは宇宙から降り注ぐ素粒子で、物体を貫通する力が極めて高い。調査では、古墳を通過したミューオンを検知器で捕捉。石室の空洞や副葬品など、周囲と密度が異なる場所や物体があれば検知器に届く量が変化し、その差を画像にすることで内部の様子が分かる。

 装置は、メンバーの居島薫・山梨大准教授(電気電子工学)が開発。アルミ製の検知パネル(縦、横各70センチ)2枚とコンピューター機器を搭載しており、観測データは岡山大、山梨大で随時確認できる。

 この日は清家教授、居島准教授らが同古墳を訪れ、後円部近くの市有地に装置を取り付けて起動させた。今後は装置の向きや場所を変えながら、1年ほどかけて観測するという。

 造山古墳は5世紀前半の築造で、全長約350メートル。古代吉備の王墓とされるが、まだ石室の存在は確認されていない。清家教授は「初の試みで手探りな部分はあるが、石室の有無や位置、数などを明らかにしたい。造山古墳の実像に迫るとともに、他の大型古墳の非破壊調査にも弾みがつく」と話している。

 同古墳のミューオン調査は、東京大、関西大などの研究チームも5月から行っている。

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