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岡山市長選 候補者に聞く(届け出順) 浦上雅彦氏、大森雅夫氏

(左から)浦上雅彦氏、大森雅夫氏
(左から)浦上雅彦氏、大森雅夫氏
 10月3日投票の岡山市長選は、無所属新人で前市議会議長の浦上雅彦氏(56)、無所属現職で3選を目指す大森雅夫氏(67)が立候補し、舌戦を繰り広げている。選挙戦を通じて何を訴え、次の4年、どんな市政運営を目指すのか。両候補に聞いた。

浦上雅彦氏(56)無新 大胆政策でまちに活気


 ―2期8年の大森市政をどう評価するか。

 「市中心部の開発に偏重している印象だ。周辺部を含めた市域全体の発展に向けた道筋がどうも見えてこない。コンパクトシティー推進ばかりを追い求めれば、人口減少に拍車が掛かって市勢衰退は確定的となるだろう。平成の大合併で旧建部、御津、灘崎、瀬戸町が編入したおかげで政令指定都市に移行できた経緯もしっかり踏まえる。大胆な政策で市全体に勢いを生み出したい」

 ―まちづくりの方策は。

 「土地の利用制限を緩和し、移住定住を促進する。開発が制限される市街化調整区域などが市域の87%を占める一方、残る13%に市民の約8割が暮らしている。大手企業が市内への立地を考えても調整区域内しか土地がなく、他の自治体へ流出するケースが後を絶たない。土地利用のルールを早急に見直して商業施設や事業所を誘致し、住宅を増やす。周辺部の駅前開発も適切に進めてまちに活気を生み出したい。誰もがわくわくする岡山をつくっていく」

 ―市民サービス向上も掲げている。

 「現在は就学前までとなっている子ども医療費無料化の対象を18歳以下へ拡大する。有料ごみ袋もなくし、家庭の負担を軽減する。市内に移住した人の市民税も3年間無料にしたい。新型コロナウイルス対策との兼ね合いもあるが、予算をやりくりすれば財源の捻出は十分可能だ。企業誘致などが進んで税収が増えれば、余裕が生まれさらに充実できる」

 ―コロナ禍への対応は。

 「市民の不安解消が急務だ。PCR検査をドライブスルー形式で気軽に受けられる態勢を4区全てで整備する。自宅やホテルで療養中の感染者が容体が悪化した際には、入院者並みの投薬治療が受けられるようにする。感染状況の分析を市長自らが会見で毎日広報するなど、市民に向けた積極的な情報発信に努める」

 ―コロナ禍の選挙戦でどう政策を訴えるのか。

 「密になりがちな大規模集会の開催は難しい。10人程度のミニ集会や短時間の企業訪問を重ねてきた。若者にも政治に関心を持ってもらうため、フェイスブックやツイッターといった会員制交流サイト(SNS)や、動画投稿サイト・ユーチューブでの発信に力を入れていく。コロナ禍で苦しい時期のかじ取り役を決める大切な選挙。投票率を過去最低だった前回の28・35%からアップさせなければならない」

 うらかみ・まさひこ 県議秘書を経て岡山市議に1999年から連続6期当選し、議長も務めた。今年5月に任期途中で議員辞職し、出馬を表明。小中高いずれも児童会長、生徒会長を務めた。朝日高の生徒会長選では「学食のメニューにラーメンを加える公約を掲げて当選した」と振り返る。信条は田中角栄元首相の言葉にちなんだ「人間そのままを愛する」。9歳の双子を持つ父で、海釣りを一緒に楽しむのが癒やしの時間。法政大中退。

大森雅夫氏(67)無現 コロナ対応ためらわず


 ―3選出馬を決めた理由は。

 「2期8年でさまざまな施策に取り組んできた結果、市の経済成長率が全国平均を上回ったり、懸案だった待機児童がおおむね解消したりするなどいろいろな分野で成果が出てきている。ただ、道半ばのプロジェクトも多く、解消しないといけない課題も山積している。岡山が持つポテンシャルを生かし、市の総合力を高めるのが目標だ。実現に向け、子育て支援や教育環境の整備、防災減災といった施策の一層の推進に力を尽くしたい」

 ―新型コロナ対応をどう進めるか。

 「コロナ禍は未曽有の事態だけに難しい対応を迫られてきたが、感染状況に応じた人流の抑制策などを講じ、市民の協力もあって何とか乗り越えてきた。引き続き最大限の警戒を持って感染防止に取り組み、希望する全ての人へのワクチン接種の早期完了を目指す。疲弊した経済対策も大事だ。12月に実施予定の市独自のスマートフォン決済ポイント還元事業第3弾だけでなく、状況を見ながら最適な手を打つ」

 ―市長就任以来、まちづくりに力を入れてきた。

 「都心は市内外から多くの人が集まる場所。歩いて楽しめるまちを目指して新市民会館・岡山芸術創造劇場建設や岡山城天守閣の大規模改修、旭川沿いの水辺空間整備などに取り組んできた。周辺部では都心近郊という立地を生かしたコミュニティービジネス創出などを進めてきた。今後は周辺エリアにある史跡を一級の観光資源と捉えて磨き上げる事業などにもっと力を入れたい」

 ―コロナ禍で市の財政負担が増している。

 「コロナ対応を最優先とした財政出動で歳出が膨らんでいるが、今後も経済対策など必要な施策はためらわずに実施するつもりだ。一方で財政指標を見ると、硬直度を示す経常収支比率などは健全な水準を保っている。これは、一つ一つの事業を見極め、国の有利な財源を用いるなど負担を減らす工夫を重ねてきたからだ。今後も財政規律に気を配りながら、難局を乗り切りたい」

 ―コロナ禍での選挙戦をどう戦うか。

 「主張を有権者に直接、届けたいという気持ちがある一方で、コロナ対策で密を避ける必要もあるので非常に難しい選挙戦になる。臨機応変にやるしかない。なるべく集まりを少人数の規模で開き、会員制交流サイト(SNS)も有効活用し、2期8年の実績を幅広く有権者に訴えていくつもりだ」

 おおもり・まさお 2013年6月に国土交通省国土政策局長を退任して郷里の岡山市に戻り、同年10月の市長選で初当選。全国20の政令指定都市でつくる指定都市市長会ではまちづくりなどの在り方を考える部会長を務め、6月には脱炭素社会政策の強化を求める国への提言をまとめた。歴史好きを自認し、「どうして岡山市には重要な史跡が多いのか。さまざまな想像が膨らむ」。座右の銘は「信なくば立たず」。東京大法学部卒。

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