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夜明け前から集まった人々は、朝…

 夜明け前から集まった人々は、朝日が昇り始めると次々とガンジス川に入っていく。河原には火葬場がある。その遺灰も流れる水に頭まで入って体を清め、祈りをささげるのだ▼15年ほど前にインドを旅し、ガンジス信仰の聖地の一つバラナシを訪れた。さすがに聖水に身を浸す勇気はなかったが、荘厳な祈りの場に圧倒された。ヒンズー教徒は沐浴(もくよく)によりすべての罪が清められ、遺灰を聖なる川に流せば輪廻(りんね)から解脱できると信じているそうだ▼そこから上流にハリドワルという別の聖地があり、先月はヒンズー教の大祭があった。「母なる川が巡礼者を新型コロナウイルスから守る」と信じた人たちが大挙して沐浴し、2日で千人以上が感染したという▼感染者急増中で、モディ首相も危機感を表明したが、中止はできなかった。大祭が感染拡大要因の一つだと指摘もされる。インドの感染者数は今月に入り、1日に40万人を超える日が目立つ。医療現場のパニックが続く▼13億人を超える人口大国の感染爆発は世界中へウイルスを拡散しかねない。免疫機能が働きにくいインド型の変異種も発見され、すでに日本にも入ってきた▼ガンジス川でのお清めも海外との往来も今は中断し、人口大国の感染拡大を抑えねば。医療用酸素などが不足しているようだ。日本を含めた先進国も支援したい。

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