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お七夜、お宮参り、お食い初めに…

 お七夜、お宮参り、お食い初めに七五三…。子どもの成長を祝う行事は通過儀礼と呼ばれ、現代でも大切にされている。中でも節目になるのが成人式だろう▼その歴史は意外に新しい。岡山大教育学部でも教員を務めた田中治彦・上智大元教授の近著「成人式とは何か」によると、武家社会の元服など類する行事は古くからあったが、1月15日(現在は1月第2月曜)を成人の日として、20歳を各自治体で祝うようになったのは戦後からという▼2000年度生まれで「ミレニアム世代」とも呼ばれる新成人の節目が新型コロナウイルス禍にほんろうされている。岡山県内で開けたのは備前市など8市町村だけ。大型連休のある5月に延期していた岡山、倉敷市を含めて11市町村は中止した▼いつもの通りなら中学や高校の卒業後初めての同窓会も開かれ、笑顔がはじけたはず。「やるせない」「友人や恩師に会いたかった」。中止を報じる本紙記事からも無念さが伝わる▼新成人が生まれた頃は「荒れる成人式」が社会問題化し、式の不要論も出た。それでも続いた理由の一つは世論の支持だと同書は説く。通過儀礼として根付いていたのが大きい▼成長をずっと見守ってきた両親や祖父母らにも大事な日に違いない。式はさておき、その心情に思いをはせることも大人への第一歩となるのだろう。

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