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国会召集先送り訴訟 賠償請求棄却 岡山地裁、違憲性判断示さず

岡山地裁
岡山地裁
 安倍内閣が2017年、憲法53条に基づく臨時国会の召集要求に3カ月以上応じなかったのは違憲だとして、当時野党議員だった無所属の高井崇志衆院議員(比例中国)が国に110万円の損害賠償を求めた訴訟の判決で、岡山地裁は13日、賠償請求権は認められないとして高井氏の請求を棄却した。内閣の対応を巡る違憲性について判断を示さなかった。高井氏は即日控訴した。

 臨時国会召集に関する同種訴訟は全国3地裁で起こされ、今回は昨年6月の那覇地裁、今年3月の東京地裁に続いて最後となる地裁判決。東京、那覇地裁も憲法判断を示さず請求を退けており、3件とも原告敗訴となった。

 判決理由で野上あや裁判長(異動のため奥野寿則裁判長代読)は「そもそも臨時国会が開かれないことによって損なわれるのは議員個人の利益ではなく、国民全体の公益だ」と指摘。個々の議員は損害賠償の救済対象にはなり得ないと判示した上で、「違憲か否かを判断するまでもない」と結論付けた。

 訴訟では、召集についての判断に裁判所の審査権が及ぶかどうかも争点となった。野上裁判長は「内閣には合理的期間内に召集する法的義務がある」と述べ、高度な政治性を伴うため司法が介入する余地はないとした国側の主張を退けた。召集の時期に関して「違憲と評価される余地はある」とも言及した。

 高井氏は森友・加計学園問題の真相解明のため17年6月22日に他の野党議員と臨時国会召集を要求。しかし召集は98日後の9月28日だった上、衆院が冒頭解散され、国会討論を通じた議員の職責を果たせなかったと主張していた。

 原告代理人の賀川進太郎弁護士(岡山弁護士会)は判決後の会見で「司法審査の対象と判示しながら憲法判断に言及しておらず、誠に遺憾だ」と述べた。国側は「主張が適切に認められた」としている。

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