山陽新聞デジタル|さんデジ

益子直美さんといえば、日本代表…

 益子直美さんといえば、日本代表にも選ばれた元バレーボール選手だ。近年は小学生対象のユニークなバレーボール大会を主催している▼参加チームの指導者は約束させられる。「怒らない」。試合中、声を荒らげる監督には益子さんが声を掛ける。「先生、ちょっと落ち着きましょう」▼大会を始めた理由を聞いて驚いた。「私のようになってほしくない」。子どものころ、毎日のように指導者にぶたれた。怒られたくないから練習したが、自信が持てず、試合が怖かった。目標は競技から引退すること。「心が育っていなかった」と振り返る▼依然としてなくならない、スポーツ界の暴力について考えさせられる。国際人権団体が昨年、日本の25歳未満のスポーツ経験者にアンケートをしたところ、回答者の18%が指導者から暴言を受け、19%が暴力を受けていた▼不適切な指導は子どもたちを追い詰める。2012年12月、大阪市立高校のバスケットボール部の生徒が顧問から体罰を受けた後に自殺し、社会問題になった。その年の7月に岡山県立高校の野球部生徒が命を絶っている。8年以上たって県の第三者調査委は先月、監督の叱責(しっせき)などが原因とする報告書をまとめた▼過度な厳しさを「熱心な指導」ととらえる風潮を見直さねばならない。磨くべきは暴力や暴言によらない指導技術だ。

コラム

あなたにおすすめ

さんデジ特集

TOP