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ナカシマプロペラ 独メーカー買収 省エネ装置で世界トップ級シェア

プロペラ周辺に置するベッカー社のかじ(赤色部分右)とダクト(同左)
プロペラ周辺に置するベッカー社のかじ(赤色部分右)とダクト(同左)
ベッカー社の本社=ドイツ・ハンブルク市
ベッカー社の本社=ドイツ・ハンブルク市
 船舶用プロペラ大手のナカシマプロペラ(岡山市東区上道北方)がドイツの大手船舶用機器メーカーを買収したことが12日、分かった。大型船のかじやプロペラの前に取り付ける省エネ装置で世界トップ級のシェアを持つ「ベッカーマリンシステムズ」。主力のプロペラを含め、船舶の推進力や燃費を左右する船尾周辺設備の一貫製造で相乗効果を発揮し、業容拡大を目指す。

 関係者によると、ベッカー社の株式の51%を3月31日、完全子会社ナカシマヨーロッパ(オランダ)が取得。経営トップは引き続きドイツ人に任せるが、役員を選任する経営委員会を新たに設け、定員5人のうち3人を中島崇喜社長らナカシマプロペラ幹部が占める。買収額は不詳ながら、同社にとって過去最大の投資という。

 ベッカー社は1946年設立、売上高80億円(2020年12月期)、従業員115人。祖業のかじと、プロペラ周辺の水流を整えて燃費を改善する船尾ダクトで世界的大手。ナカシマプロペラとは1978年から日本国内の独占代理店契約を結んでおり、協業をより深めるため2019年末から交渉していた。

 ナカシマプロペラは近年、独自に船尾ダクトを開発、製造。ベッカー社を子会社化したことで競合を解消し、設計や営業部門などを統合して効率化する。加えて、ダクトからプロペラ、かじに至る推進設備をグループで統合的に開発できる体制を築き、顧客の造船所や船主に売り込む。

 海運業界では、環境規制の強化で燃費改善へのニーズが高まっている。ベッカー社は新造船に加え、就航中の船舶へのダクト追設も得意。プロペラは新造船向けが主だが、今後は就航船に対しても交換などをダクトとセットで提案し、収益の底上げを狙う。

 ナカシマプロペラは1926年創業、資本金1億円。売上高216億円(2020年11月期)。従業員422人。プロペラの国内シェアはほぼ100%、世界シェアは約30%。ナカシマヨーロッパは2月、海外事業の強化のため設立した。

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