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細胞生物学者で歌人の永田和宏さ…

 細胞生物学者で歌人の永田和宏さんが自著で学生時代を振り返っている。京都大理学部の同級生2人と永田さんは「ヘンな三人組」だった▼クラスの仲間から外れ、高等遊民と呼ばれていた。2浪、1浪、現役で年が違い、ブレザー、よれよれの学生服、げた履きと格好も違った。永田さんは年上の2人から知識不足を嘆かれ、よく議論をふっかけられた▼それでもなぜか気が合うヘンな友との「摩擦」から、世間との折り合いのつけ方を学んだという。晩秋のころ大学のある京都市街から嵐山まで夜通し歩いた。寒さに凍えて夜鳴きそばで暖をとった▼コロナ禍のいま、そんなのどかな学生生活は望むべくもない。各地の大学では今春、感染対策をとりながら入学式が行われた。1年遅れで2年生の入学式をした大学もある。自宅で遠隔授業を受け続けた学生が「やっと始まった」と式典で話すニュースを見た▼キャンパスに活気が戻るだろうか。文部科学省は対面授業を促している。コロナ第4波が懸念されるが、学生たちには大学生活をあきらめてほしくない。大学には、かけがえのない出会いがあるかもしれない▼永田さんは20歳の夏に歌人の河野裕子さんを見初めた。先立たれるまで40年連れ添った。河野さんの前で自分が無邪気に輝くことができたという。2人はキャンパスで出会った。

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