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男女格差報告 「変わらぬ日本」変えたい

 日本の男女格差の是正に向けた取り組みが諸外国から大きく遅れている実態が、改めて浮き彫りになった。

 男女平等がどれほど実現できているかを国ごとに数値化した「男女格差報告」(ジェンダー・ギャップ指数)が公表され、日本は156カ国中、120位だった。過去最低となった前回2019年の121位と同水準で、先進7カ国(G7)では他国に遠く及ばず最下位だ。

 同報告は世界経済フォーラムが06年から政治、経済、教育、健康の4分野を対象に女性の地位を評価している。日本は政治参画の遅れや男性との賃金格差が大きいことがかねて指摘されてきたものの、改善は大幅に遅れ、今回は全分野でさらに順位を下げた。

 長らく女性活躍を掲げながらなぜ、日本社会は一向に変われないのか。政府や企業の幹部は結果を真摯(しんし)に受け止め、具体的な対策を急がなければならない。

 最も深刻なのが政治分野である。現在、衆院議員のうち女性は9・9%にすぎず、閣僚も20人中2人。順位は147位と沈んだ。前後にイスラム教の国などが並ぶ世界最低レベルと言わざるを得ない。

 3年前には選挙の候補者数の男女均等を目指す法律ができた。しかし政党の努力義務のため、その後の参院選でも自民党が約15%にとどまるなど効果は十分でない。政府は国政、地方の各選挙で女性候補者を25年までに35%に増やす目標を掲げる。年内には衆院選が実施されるが、掛け声倒れにならぬよう各党には決意を示してもらいたい。

 候補者の一定比率を女性に割り当てる「クオータ制」の導入も検討するときではないか。より速いスピードで格差を埋めるため、既に130以上の国・地域が取り入れ、例えば日本と同じ水準だったフランスは2000年の導入後に飛躍的に改善させた。韓国や台湾も意欲的な手を打ち、成果を上げている。

 有権者側もこうした動向を自分たちの問題に引きつけて考え理解を深めることで、変化を促すことが欠かせない。

 経済分野では役員や管理職に占める割合が低調だったため順位を下げた。専門職・技術職での割合も頭打ちとなっている。教育分野の低迷も懸念材料だ。政経分野で活躍する女性を育てる出発点ともいえる高校や大学への就学率が男子より低く、年齢が上がるにつれて格差が広がる実態が明らかになった。

 男女平等が求められるのは単に理念としてではなく、少子高齢化社会では女性を含め多様な人を登用しなければ人材を確保できないからでもある。格差は地方でより顕著とされ、その解消が若い女性の定住につながり地域を活性化させるとして大胆な施策を打ち出す自治体も出てきた。

 誰もが平等な社会をどう実現していくか。常に議論し、取り組み続けていくことが社会全体に求められている。

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