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思わずどきりとする。「今日あっ…

 思わずどきりとする。「今日あった『あなたの普通の生活』は、明日も本当にありますか?」。愛知県のNPO法人代表の鈴木中人(なかと)さんが著書「子どものための『いのちの授業』」で問いかけている▼子どもたちに小児がんや命の意味について考えさせる授業を学校などで行っている人だ。きっかけは1995年、6歳の娘をがんで亡くしたこと。病気が進んでも、「次に学校に行ったときに困る」と平仮名の練習をするような頑張り屋だったそうだ▼その子のイメージだろうか。本の装画が目を引く。花畑で花束を手にしているのを、多くの子が手をつないで見守っている。広がる空間とパステル調の色合いが優しい印象を与える▼描いたのは、絵本作家の葉祥明(ようしょうめい)さん。笠岡市立竹喬美術館で開かれている特別展を訪ねた▼漫画家のやなせたかしさん責任編集の月刊誌で作家として知られるようになり、近年は社会問題をテーマにした絵本に力を入れているという。鈴木さんの著書同様、命について考えさせられたのが詩画集「Life is…」。特別展に並ぶ幻想的な絵はもちろん、詩も創作したものだ▼「人が幸せを感じるには/何も特別なものは要らない」「とりわけ辛(つら)い出来事の後には/なんでもないことにさえ/喜びが感じられる」。新型コロナウイルス禍、余計に染みる言葉である。

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