山陽新聞デジタル|さんデジ

防災重点農業ため池 安全対策推進 岡山県、10年間の計画策定へ

瀬戸内市が管理する防災重点ため池。県は市町と連携し、10年間の集中対策に乗り出す=昨年6月
瀬戸内市が管理する防災重点ため池。県は市町と連携し、10年間の集中対策に乗り出す=昨年6月
 岡山県は2021年度、自然災害で決壊した場合に人的被害が出る恐れがある「防災重点農業用ため池」の安全確保に向け、10年間の集中対策に乗り出す。国から自治体への財政支援を拡充する特別措置法の施行(昨年10月)を受け、改修工事の優先順位や市町との役割分担などを盛り込んだ推進計画を本年度末までに策定する。

 県内には全国で4番目に多い9760カ所のため池があり、うち防災重点ため池は、18年の西日本豪雨後の国の指定基準見直しを経て25市町の4274カ所に上る。県は今回、特措法に基づいて新たに「防災重点農業用ため池」として指定する。

 推進計画では、市町の意見を踏まえて改修工事の対象となるため池を決め、役割分担や優先順位の方針をまとめる。利用しないところは廃止や統合を検討。劣化状況や、地震と豪雨への耐久性の調査も盛り込む。

 県は本年度から、県内の全てのため池を人的被害の恐れと利用状況、老朽度に応じて五つのグループに分け、3年間で対策を講じる独自の計画に取り組んでいる。こうした内容や考え方は推進計画に引き継ぐ。

 県内には老朽化して改修工事が必要なため池が相当数あり、西日本豪雨では230カ所が破損、4カ所が決壊した。特措法は30年度末が期限で、国が工事費の約半分を負担。自治体負担分も、地方債のうち国が地方交付税で手当てする割合を拡充する。

 県耕地課は「防災対策は不可欠だが、ため池の数は膨大。農業者の高齢化で利用も減っていくため、全部を改修するのではなく集中的、効率的に進めていきたい」としている。

 防災重点農業用ため池 法律に基づいて知事が指定し、防災工事や廃止に当たって国の財政支援が拡充される。主な指定要件は、決壊時に浸水が想定される区域内に住宅や学校、病院があるのを前提に、そうした建物がため池から100メートル未満に立地▽貯水量が千立方メートル以上かつ、建物がため池から500メートル未満に立地▽貯水量が5千立方メートル以上―となっている。

政治行政

あなたにおすすめ

さんデジ特集

TOP