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特別な形で守り継いだ西大寺会陽 無観客の境内で宝木の授与儀式

争奪戦を見送り、宝木を順に回していく歴代福男=2月20日、西大寺観音院
争奪戦を見送り、宝木を順に回していく歴代福男=2月20日、西大寺観音院
静寂の中で境内に並ぶ歴代福男=2月20日、西大寺観音院
静寂の中で境内に並ぶ歴代福男=2月20日、西大寺観音院
受け付けを通る歴代福男。スタッフとはビニールシートで仕切られるなどコロナ感染予防対策は徹底された=2月20日、西大寺観音院
受け付けを通る歴代福男。スタッフとはビニールシートで仕切られるなどコロナ感染予防対策は徹底された=2月20日、西大寺観音院
伝統にのっとり“道中無言”の宝木取りの使者もマスクを着用した=2月3日
伝統にのっとり“道中無言”の宝木取りの使者もマスクを着用した=2月3日
特別な形で守り継いだ西大寺会陽 無観客の境内で宝木の授与儀式
 「伝統をつなぐことができてよかった」

 西大寺観音院(岡山市東区西大寺中)で20日夜、行われた裸祭り「西大寺会陽」。福男となった医師の藤田琢二さん(79)=同市東区=と自営業の林昭二郎さん(77)=同=の2人は、そう声をそろえた。

 室町時代の1510年に始まったとされ、岡山を代表する伝統行事となっている。祭りを主催する会陽奉賛会によると、新型コロナウイルス禍の中で関係者からは中止の意見も出された。しかし、今だからこそ「疫病平癒」を祈る会陽が大事という結論に至ったという。

 「会陽の神髄とコロナ対策を両立させた授与方法を模索した」(会陽奉賛会)今年は、500年余りの歴史上初めて宝木(しんぎ)争奪戦を見送った。参加は平成以降に宝木を獲得した福男に限定した。

 一連の行事の幕開けとなる1日の「会陽事始め」から対策を徹底。3日深夜から4日未明にかけて行われた「宝木取り」では、伝統にのっとり道中無言の使者もマスク姿で臨んだ。

 会陽当日の20日。2週間にわたり宝木に福を込める儀式「修正会(しゅしょうえ)」が結願(けちがん)となる午後10時、参加した福男98人の代表に宝木が投下された。その後、手渡しで福男たちが回していき、受け取るとそれぞれ目を閉じたり額に近付けたりと、思い思いに一対の宝木に触れた。

 無観客の境内で執り行われた授与儀式は、98人の中から札引きで選ばれた11人が大床に上がり、西大寺観音院の坪井綾広住職が再び札を引いて今年の福男2人を決めた。開催すら危ぶまれた日本三大奇祭は、特別な形で守り継がれ新たな歴史を刻んだ。

 坪井住職は「会陽の語源はそもそも、厳しい冬の寒さを乗り越え暖かい吉兆の春を呼び込む『一陽来復』。世の中がコロナ禍で苦しんでいる時こそ、地域一丸となり未来を開きたい」と話した。

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