山陽新聞デジタル|さんデジ

視察報告 複数会派が同じ「感想」 倉敷市議、文章使い回し常態化か

複数の議員が提出した報告書。「意見・感想」の部分が全く同じ内容になっている
複数の議員が提出した報告書。「意見・感想」の部分が全く同じ内容になっている
 倉敷市議が2019年度に政務活動費(政活費)で実施した視察の報告書で、複数の会派の「意見・感想」が全く同じ内容だったことが25日、山陽新聞の調査で分かった。議員間で文章の使い回しが常態化している可能性もあり、専門家は「モラルの問題で不適切だ」と指摘している。

 市議会は視察した際、会派単位で報告書を作成。日時や場所、目的のほか、視察で得たことを本会議や委員会、審議会などにどう生かせるかを「意見・感想」として具体的に記述する。

 市議会ホームページで公表された19年度の報告書を調べると、全7会派から1人ずつ参加した札幌市の視察(19年7月)では、半数以上の会派が同一文書を提出。IT産業の振興施策が目的で、A4判用紙の半分超のスペースに「IT利活用により経営課題解決を目指す中小企業を支援している」などと記されていた。

 他の視察では、鹿児島市と鹿児島県西之表市(同7、8月)、熊本県玉名市(同11月)でも、複数の会派の文章が同じ内容となっていた。

 市議会では、参加議員の中から文章のひな型をまとめる担当を決めていたという。札幌市の視察に参加した当選3回の議員は「参加者で共有した文書をそのまま提出した。これまでも深く考えたことはなく、改めたい」と陳謝した。

 政活費は議員の調査・研究などのために自治体から支給される公金で、視察は先進事例を施策に反映させるのが主な狙い。報告書の運用について斎藤武次郎議長は「集約した意見が出されたと認識しており許容範囲」としつつ「市民の理解が得られないのなら議論する必要がある」との認識を示した。

 環太平洋大の林紀行教授(政治学)は「報告書で最も重要なのが意見の部分。会派が異なるなら議員一人一人に違った見方があるはずで、全く同じはあり得ない」と指摘。「市民に説明責任を果たす視点に欠けており、議員のモラルと議会の体質の問題だ」としている。

政治行政

あなたにおすすめ

さんデジ特集

TOP