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「山が動いた」。1989年夏の…

 「山が動いた」。1989年夏の参院選は、社会党の勝利と言っていいだろう。当時の土井たか子委員長の笑顔が記憶に残る。その年の春に初めて消費税が導入された。自民党政権のスキャンダルも加わり、国民の怒りは頂点に。参院は与野党が逆転した▼冒頭の言葉は、女性の地位向上のために発行された雑誌「青鞜(せいとう)」創刊号に、与謝野晶子が寄稿した詩「山が動く日来る」から引用したという。女性議員が多数誕生したことも選挙を象徴していた▼思えばこの時が社会党最後の見せ場だったか。55年体制以降、野党第1党として久しく自民批判票の「受け皿」になってきたが、平和主義と敵失頼みでは限界があった▼自民、さきがけと連立を組み、村山富市委員長が首相を務めたこともある。社民党と名も変えたが、衆院に導入された小選挙区制度に対応できず、議員も支援労組も次々と新党へ移った▼往時は200人を超えていた衆参国会議員も今や4人に減った。先日、議員や党員の離党容認が決まり、福島瑞穂党首らを残してさらに分裂するようだ。次の国政選挙で有効投票の2%以上獲得しなければ政党とも認められなくなる▼かつての隆盛を知る人には寂しい状況だろう。党の大小にかかわらず、存在意義を示し続けなければ支持はつなぎ止められない。厳しい政治の現実を思い知る。

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