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美術家・高橋秀さん文化功労者に 倉敷在住、若手育成にも尽力

今後の抱負を問われ「今までやってきたことを続けるだけです」とにこやかに話す高橋さん
今後の抱負を問われ「今までやってきたことを続けるだけです」とにこやかに話す高橋さん
 40年余りイタリア・ローマで活動し、2004年から倉敷・沙美海岸の自宅アトリエで制作する美術家高橋秀さん=倉敷市玉島黒崎=が27日、岡山県在住者として3人目の文化功労者に選ばれた。「アーティストの仕事とは社会を盛り上げること。作品が人々の喜び、励ましになればと願って制作してきた」と晴れやかに語った。

 福山市出身。画家を目指して上京し、独立美術協会展などで活躍。1961年に画壇の登竜門とされた安井賞に輝くが、63年“安井賞作家”の絵を求められる日本を飛び出し渡伊。明快な色彩と形が躍動する独自の抽象表現を確立、93年にはローマ国立近代美術館で日本人初の個展を開いた。

 96年倉敷芸術科学大教授に就任したのを縁に帰国してからは、若手の育成支援にも力を注いだ。「全国高校生現代アートビエンナーレ」、砂浜で子どもたちが大作に挑む「沙美アートフェスト」などを次々展開。妻の布貼り絵作家藤田桜さん(95)と私財1億円を投じ設立した「秀桜基金留学賞」では、10年で28人を海外へ送り出した。

 留学賞の運営を約150の個人・団体でつくる後援会が支えるなど、常に美術界内外の人々を巻き込んできた。「地域の寛大な協力があってこそ」と感謝しつつ「まだ道半ば。もっと人を呼び込んで、アートを暮らしに密着させたい」と快活に笑った。

倉敷・総社

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