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三井E&Sとツネイシ 資本提携へ 商船事業 12月契約目指し協議

三井E&S造船の中核拠点・玉野艦船工場=玉野市玉
三井E&S造船の中核拠点・玉野艦船工場=玉野市玉
 三井E&Sホールディングス(HD、東京)とツネイシホールディングス(福山市沼隈町常石)は31日、両社が主力とする商船事業での資本提携に向けて協議を始めたと発表した。玉野市に造船所を持つ三井E&SHD子会社・三井E&S造船(東京)にツネイシHDが出資。12月末の最終契約、来年10月の株式譲渡完了を目指す。国内造船業界は中国・韓国勢の台頭で統合、再編が進んでおり、国際競争力の強化が狙い。

 ツネイシHDの出資比率は今後詰めるが、三井E&SHDが三井E&S造船の株式の過半を持ち続ける前提で協議する。三井E&SHDとツネイシHDは2018年に業務提携し、設計部門の人事交流などを推進。資本提携に踏み込むことで共同受注や造船所の一体運営まで協業を深め、研究開発や設計、調達などのコスト競争力を高める。

 造船・重機大手の三井E&SHDは、インドネシアの火力発電所建設工事で巨額損失を出して昨年5月に経営再生計画を策定し、グループで事業譲渡や人員整理を実施している。

 商船事業も苦戦し、19年度上半期の受注隻数は、玉野と、商船に特化した千葉工場(千葉県)を合わせてゼロ(前年同期7隻)だった。既に千葉工場は閉鎖が決定。玉野で手掛ける防衛省向けの艦艇事業は来年10月をめどに三菱重工業(東京)へ譲渡する計画を6月公表している。玉野で造る巡視船など官公庁船も譲渡の方向という。

 一方、ツネイシHD子会社の常石造船(福山市)は、人件費が安く為替の影響を受けにくいフィリピンと中国に造船所があり、一定の競争力を保持。19年12月期の新造船受注は前年比37・5%増の44隻、売上高は7・5%増の1646億円と堅調だった。

 三井E&SHDは「両社の強みを生かして商船の競争力を高めたい」。ツネイシHDは「三井の技術力と当社の生産能力を活用し、造船事業の持続的成長につなげたい」としている。

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 三井E&S造船 三井物産造船部として1917年、玉野市で創業し、分離後の42年に三井造船に改称。事業ごとに分社した2018年から現社名。玉野の社員は約850人。同社が中核の三井E&Sホールディングスの船舶事業は売上高1151億円、営業損失28億円(20年3月期)。

 常石造船 海運会社やリゾート施設などを傘下に持つツネイシホールディングスの中核企業。1917年に創業した。単体社員910人。中型のばら積み船で世界トップシェアを持つ。グループ41社の連結は売上高2287億円(2019年12月期)、社員約2万人。

玉野

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