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昨年秋、台風19号が東日本を襲…

 昨年秋、台風19号が東日本を襲い、多くの河川が氾濫して犠牲者が出た。避難しなかった人もいたと知り、その前年に西日本豪雨を経験した児童には衝撃だったという▼「真備のことがあったのになぜ逃げなかったのか」「もっと私たちの経験を伝えなければ」。そんな思いが込められているそうだ。倉敷市真備町地区の薗(その)小が豪雨の被災体験を伝える2種類の冊子を作った▼取り組んだのは昨年の6年生。校舎は浸水被害を免れたが、自宅が水没した児童は少なくない。1冊は被災した住民や災害ボランティアらに手記を依頼し、防災教育の副読本としてまとめた。もう1冊は、6年生46人が「語り部」として自らつづった体験記だ▼「逃げよう」と子どもが強く求め、親がようやく避難を決めた家庭もある。避難した後に忘れ物を取りに自宅に戻り、水が迫ってヒヤリとした子もいる。水位が急上昇して間一髪、窓から隣家の屋根へと脱出した子もいる▼子どもたちの目を通して見た46通りのあの日が、胸に迫ってくるようだ。冊子は同小の防災教育で活用される予定だが、他の地域にも参考になるだろう▼体験記の最後に児童代表が記したメッセージを心に刻みたい。「『自分は大丈夫』と思わず、もしもの時のために災害に備えてください。どうか、自分や大切な人の命を守ってください」

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