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意外な胸のうちをこの春出した著…

 意外な胸のうちをこの春出した著書「ひとりじゃないよ」で知った。障害児の保護者を支える倉敷市のNPO法人「ペアレント・サポートすてっぷ」理事長の安藤希代子さんのことだ▼保護者が集う「うさぎカフェ」を西日本豪雨の後、大きな被害があった真備町地区でも始めたと以前、この欄で紹介した。例えば、自閉症がある子は環境の変化に敏感で、避難生活で体調を崩しやすい。そんな悩みを引き出すように聞けるのは、自らも障害児を育てた経験からだと映った▼だが、実は「難しい場だ」と感じていたという。会場として借りたのは障害者施設の一室。民家で開くいつものようなくつろげる空気は出せなかった、と▼カフェでどんな催しをすればニーズに合うのか。仲間と考えた末、それまで別の会場で行っていた「絵本セラピー」などを全て真備町で開くことにし、被災者だけを対象にするのもやめた。その結果、多くの人が復興状況を知ることにもなり、月2回の出張は会場を変えながら今も続く▼西日本豪雨で改めて浮かび上がったのは障害者や高齢者ら「災害弱者」の存在だった。支援が必要なのは避難時だけではなかろう▼豪雨から間もなく2年。先月からは「すてっぷが使うなら」と、閉店した飲食店をカフェの会場に借りられたと聞いた。活動が根付いた証しに違いない。

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