山陽新聞デジタル|さんデジ

ほぼ完形の「脚付装飾壺」出土 津山・桑山5号墳、大型で精巧

桑山5号墳で出土した「脚付装飾壺」。肩部に壺形の装飾が載っている
桑山5号墳で出土した「脚付装飾壺」。肩部に壺形の装飾が載っている
ほぼ完形の「脚付装飾壺」出土 津山・桑山5号墳、大型で精巧
 岡山県古代吉備文化財センターが発掘調査する桑山5号墳(津山市平福)で15日までに、器面に小さな壺(つぼ)形の装飾が付いた「脚付装飾壺」が見つかった。大型で精巧な須恵器で、県内の遺跡からほぼ完形で出土した例は少ないという。同センターは「葬送儀礼に用いたとみられ、他に副葬された土器と比べて、大きさ、作りともに一線を画した特別な存在」としている。

 桑山5号墳は津山市南西部の佐良山古墳群の一つで、6世紀後半(古墳時代後期)築造の横穴式石室を持つ直径約10メートルの円墳。2019年度に新たに見つかり、同センターが4月から発掘している。

 脚付装飾壺は石室入り口付近から出土。透かし穴を持つ円すい形の脚部に、口が大きく開いた壺が載り、高さ約50センチ、壺部の最大径約20センチ。器面には波状文などが施されている。装飾は一部外れたり破損したりしているが、肩部を囲むようにミニチュアの壺が10個取り付けられていたとみられる。

 横穴式石室では、入り口に祭祀(さいし)用と想定される大型の土器や複数の壺を重ねて置くケースが多く、「桑山5号墳は脚付装飾壺がその役割を果たしたのだろう」と同センターの尾上元規総括副参事。

 脚付装飾壺は全国的に6世紀の古墳を中心に見つかり、県内では出土状況があいまいなものも含め約30点が確認されている。大型で精巧なため壊れやすく、発掘調査では破片で発見されることがほとんどという。

 また県内出土品の約3分の1は現在の瀬戸内市の古墳、窯跡で見つかったとされる。尾上総括副参事は「瀬戸内市域で製作された壺が、桑山5号墳の北を流れる吉井川を通じて運ばれるなど、両地域間に交流があった可能性も考えられる」と話している。

 同古墳ではほかに高坏(たかつき)などの土師器、須恵器約100個や鉄鏃(てつぞく)、馬具、玉類も出土している。

くらし・文化

あなたにおすすめ

さんデジ特集

TOP