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高校文化系部員に喪失感 総文祭ネット開催や全国大会中止

ミーティングで総文祭への出場がなくなった無念さを語る大安寺中等教育学校囲碁将棋部の3年生(左)
ミーティングで総文祭への出場がなくなった無念さを語る大安寺中等教育学校囲碁将棋部の3年生(左)
間隔を空け、マスクをつけて練習する城東高合唱部。今年は全国大会中止の影響で、3年生全員が20日に引退する
間隔を空け、マスクをつけて練習する城東高合唱部。今年は全国大会中止の影響で、3年生全員が20日に引退する
 新型コロナウイルス感染拡大の影響が、高校の文化系部活動にも影を落としている。「文化部のインターハイ」と呼ばれる今夏の全国高校総合文化祭(総文祭)が高知県での開催をやめ、インターネット上だけで行うことが決まった。他の全国規模の大会も軒並み中止で、高校生活最後の舞台を奪われた3年生を中心に喪失感が広がっている。

 総文祭は約20部門に全国から約2万人の生徒が参加。今年は岡山県から各部門の代表約330人が出場する予定だった。高知県実行委は6日、公式サイトで演奏の動画や作品の画像などの公開に限ることを発表した。

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 「全国大会で部活を締めくくりたかった」

 大安寺中等教育学校(岡山市北区北長瀬本町)囲碁将棋部の3年生6人が4日、ミーティングで心境を吐露した。目標だった総文祭で、囲碁と将棋はネットの対局もなく、本年度最初の活動日が事実上の引退の日になったからだ。

 囲碁は昨秋の県予選で出場を決め、昨年の団体県代表だった将棋は5月の予選(中止)では優勝候補だった。「仕方ないと思うようにしているが、集大成の場がなくなり、やっぱり悔しい」と3年森下裕矢さん。

 書道の県代表の明誠学院高(同津島西坂)書道部3年原田美咲さんも肩を落とす。

 数カ月かけて仕上げた作品を、展覧会場で多くの人に見てもらう予定だった。ネットで公開されるものの、「審査員の講評を聞き、他の出品者と批評し合うのが楽しみだったのに」。

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 中止になるのは総文祭にとどまらない。

 NHK全国学校音楽コンクール中国ブロックで2年連続金賞などの実績を誇る城東高(同市中区下)の合唱部。昨年までは同コンクールへの出場を目指し、3年生の一部は引退せず、秋まで部活動を続けていた。

 今年はコンクールがなくなったことで、新入生の勧誘活動が落ち着く6月20日で一斉に引退することに。3年田中瑞樹さんは「可能な限り後輩の悩みを聞くなどサポートするが、不完全燃焼の思いは残る」と話す。

 また「吹奏楽部員の甲子園」と言われる全日本吹奏楽コンクール(10月)の中止もすでに決定。昨年まで3年連続金賞の学芸館高(同市東区西大寺上)をはじめ、各校の吹奏楽部員に落胆が広がる。

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 関係者は今後、大会の再開時期について気をもむ。例年なら秋から、来夏の総文祭につながる大会が始まる。県教委が出した部活動再開の指針(5月22日付)で、合宿や対外試合、発表会などを行わないよう求めた期限は6月21日まで。その先の可否はまだ示されていないからだ。

 9月下旬に地区大会を予定する演劇は、コロナ感染の予防策を取った上で実施できるよう準備を進める。ただ「感染が再拡大して中止になれば、来年の総文祭の代表を決める場がなくなってしまう」と操山高(同市中区浜)の安藤博巳演劇部顧問。

 先の見通せない状況に対する不安は他の文化系部活動にも共通しており、関係者が頭を悩ませる日々は続く。

 メモ 県教委の2019年度調査で、県内高校生の16・6%(男子7・1%、女子26・5%)に当たる8935人が文化系部活動に所属。全国総文祭は、最高峰の舞台と位置づけられている将棋、演劇、日本音楽、郷土芸能をはじめ、合唱、吹奏楽、器楽・管弦楽、美術・工芸、書道、写真、放送、弁論、小倉百人一首かるた、新聞などの19の規定部門と、開催地で異なる協賛部門(2~4部門)を実施する。

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