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コロナ影響論争乏しく 倉敷市長選 伊東氏に丁寧な施策説明欠かせず

4選を果たし、今後の抱負を述べる伊東香織氏(中央)=午後9時45分、倉敷市老松町の選挙事務所
4選を果たし、今後の抱負を述べる伊東香織氏(中央)=午後9時45分、倉敷市老松町の選挙事務所
 26日投票の倉敷市長選は、現職の伊東香織氏(53)が大差で4選を決めた。新型コロナウイルスの影響で活動が大幅に縮小、政策論争の場が少ない異例の展開になった。

 現職と新人による一騎打ちの構図が固まったのは告示のわずか4日前。無投票ムードから一転、短期決戦に突入した。

 それぞれの主張を聞く機会は限られた。伊東氏は新型コロナ対策で、これまでの選挙で行っていた各地区での個人演説会を自粛。遊説では感染予防の呼び掛けに時間を割くなど、従来とは異なる選挙戦を繰り広げた。

 対する新人候補も、発信の手段として主にインターネットを活用。候補者が政策を語る姿がこれほど目立たなかった選挙は珍しい。豪雨からの復興、まちづくりなど市政の課題についての議論は深まらなかった。

 「国とのパイプがあり手腕も手堅い」「財政運営と事業選択のバランスに優れている」―。多くの市議は伊東氏の実績に一定の評価を示す。

 豪雨対応では、初動の混乱が一部批判されたが、施設の再開や治水対策など復興事業は前に進んでいる。市長就任から一貫して重点施策に掲げる子育て支援では、この4年で保育園の定員を千人近い規模で増やすなど、需要の高まりに即した対応に注力してきた。

 伊東氏は4期目の方針として、災害からの復興と未来に向かうまちづくりを掲げた。被害が大きい真備町地区では、被災者の心のケアなど生活再建に向けた息の長い支援が求められる。新型コロナで打撃を受けている観光などの地場産業への支援も急務だ。

 人口減対策など一つの自治体だけで成果を上げるのが難しい課題も多い。広域連携を続ける高梁川流域圏(7市3町)の中枢都市の首長としてリーダーシップが一層問われる。

 1967年の児島、玉島との3市合併後、市長を4期務めるのは伊東氏が初めてとなる。多選の弊害に陥らないためにも、施策を進める際の丁寧な説明が欠かせない。

 ■「将来見据えた政策を」伊東氏

 倉敷市長選で4選を決めた伊東香織氏。新型コロナウイルスの感染拡大に配慮し万歳は行わず、後援会幹部らと喜びを分かち合いながら「これまでにない形での選挙になったが、新しい道をいただいたことに感謝したい」とお礼を述べた。

 同市老松町の選挙事務所に当選確実の知らせが入ったのは午後9時半ごろ。人の密集を避けるため屋外で待っていた支援者ら約100人(事務所発表)から拍手がわき起こり、花束を受け取った伊東氏は深々と頭を下げた。

 告示直前の16日、新型コロナ感染拡大に伴う政府の緊急事態宣言が県にも発令。公共施設の利用中止など対応に追われる中で選挙戦を迎えた。告示後もコロナ関連の経済対策をにらんだ補正予算の検討など、公務に当たりながらの戦いを強いられた。

 4期目は、西日本豪雨からの復興のほか、子育て支援など継続して進める施策の成果が問われる。伊東氏は「新型コロナなど今の課題と、将来を見据えた政策の両方に取り組んでいく必要がある」と力を込めた。

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