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寺院

横尾山 静円寺(よこおさん じょうえんじ)

静円寺本堂。右に大師堂、左に薬師堂を配する
静円寺本堂。右に大師堂、左に薬師堂を配する
横尾山 静円寺(よこおさん じょうえんじ)
静円寺本堂
静円寺本堂
山王大権現
山王大権現
静円寺多宝塔
静円寺多宝塔
遠景(安楽院)
遠景(安楽院)
八十八カ所お砂踏み(安楽院)
八十八カ所お砂踏み(安楽院)
十二支の小坊さんたちの像(安楽院)
十二支の小坊さんたちの像(安楽院)
花車を引く稚児行列(地蔵院)
花車を引く稚児行列(地蔵院)
供養のため納められた人形たち(地蔵院)
供養のため納められた人形たち(地蔵院)
お焚き上げの様子(地蔵院)
お焚き上げの様子(地蔵院)
横尾山 静円寺(よこおさん じょうえんじ)
一山一寺多院制を今に伝える竹久夢二ゆかりの古刹

<歴史>

竹久夢二の菩提寺として有名

 瀬戸内市の低い丘陵地帯に鎮座する静円寺は、真言宗の寺院。730(天平2)年、行基による創建とされている。その後、報恩大師によって備前四十八カ寺に選ばれた名刹である。

 桃山時代に再建され、1688~1704年(元禄年間)に現在の地に移転された。かつては33坊の大伽藍だったが、火災などにより、現在は3院(光明院、安楽院、地蔵院)となっている。

 仁王門をくぐると、左右に大師堂と薬師堂を配した本堂(県指定重要文化財)の重々しい姿が目に飛び込んでくる。入母屋造、本瓦葺の五間堂であり、妻飾は二重虹梁大瓶束式に蟇股を付した優美なもの。破風下には三つ花懸魚が吊られる。

 境内の北側には、大日如来を安置する多宝塔(県指定重要文化財)が堀池を挟んで配されている。静かで荘厳な空気が、境内を満たしている。

 また、同寺は竹久夢二の菩提寺ということでも知られる。幼少時の夢二がこの境内でよく遊んでいたそうで、同寺の周囲には夢二の生家(夢二生家記念館・少年山荘)や、彼の詩碑などが点在している。

 昭和初期までは会陽も行われていた。1510(永正7)年、法会結願の夜に参拝者に牛玉を授けたのが始まりとされる。投下される宝木に、「信木」という字を使用していたのは同寺だけの特徴である。

<見どころ>

一山一寺多院制を今に伝える

 同寺は一山一寺多院制の形式を現在に伝えており、光明院、安楽院、地蔵院の3院が現存する。

 安楽院の本尊は阿弥陀如来立像。脇に不動明王と愛染明王が祀られるという、珍しい配置を持つ。境内には修行大師像が立ち、四国八十八カ所のお砂踏み霊場も整備されている。先代住職が檀信徒と共に四国遍路を続け、砂を集めた成果という。その隣では、十二支をモチーフにした愛らしい小坊さんたちの像が参拝客を和ませている。また、夢二の位牌はこの安楽院に祀られている。夢二が寺の裏手にある井戸を見て、詩を詠んだという伝承もあるそうだ。

 地蔵院は、地蔵菩薩立像を本尊として祀る。和歌山県の淡嶋神社の分身が祀られており、同神社で人形供養祭が行われていることにちなんで、地蔵院でも1987(昭和62)年より毎年3月の最終日曜日に人形供養祭が行われている。当日は地元の子どもたちが行列をつくり、人形を乗せた花車を静円寺から地蔵院まで引いて歩く。人形に宿った魂の成仏と、子どもたちの健やかな成長が祈られる光景は、瀬戸内市の春の風物詩として定着している。

 御朱印は、静円寺のものと、それぞれの院のものがある。ほしい方は、各院の住職に気軽に問い合わせを。

ご案内

住所/〒701-4214 瀬戸内市邑久町本庄4368
TEL/0869-22-0353(地蔵院)、0869-22-0529(安楽院)、0869-22-0341(光明院)
交通/岡山ブルーライン・邑久ICから車で5分。JR赤穂線・邑久駅から車で10分
宗派/高野山真言宗
ご本尊/千手観音(秘仏)
開山/730(天平2)年
代表的寺宝/備前焼永正銘花瓶(県指定重要文化財)、備前焼永禄銘花瓶(県指定重要文化財) ほか
御朱印/受付8時~17時、各院まで 各300円
※不在時は紙朱印を用意

年間行事

毎月17日/縁日法要
1月1日/修正会
5月21日/御影供
8月16日/水祭り施餓鬼法要
12月31日/除夜会

【ここも! 見とかれぇ】

仁王門

 寺伝によると、1714(正徳4)年に建築されたものとされる仁王門。入母屋造の屋根と、軸部の均整の取れた外観が美しい。とりわけ降棟(くだりむね)、隅棟(すみむね)、箕甲(みのこう)の優美な形態が特徴的。参拝の際はぜひこちらにも注目したい。

(2020年10月02日 09時00分 更新)

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