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日本の全市区町村、バイクで走破 倉敷の仁科さん 400日かけ

日本の全市区町村を巡る旅を達成した仁科さんと苦楽をともにしたバイク
日本の全市区町村を巡る旅を達成した仁科さんと苦楽をともにしたバイク
バイクの通行が禁止されていた福島県富岡町。地元の人の車に乗せてもらって訪れた(仁科さん提供)
バイクの通行が禁止されていた福島県富岡町。地元の人の車に乗せてもらって訪れた(仁科さん提供)
「印象的な景色」と振り返る長野県伊那市で見た青空と入道雲(仁科さん提供)
「印象的な景色」と振り返る長野県伊那市で見た青空と入道雲(仁科さん提供)
 広島大を今月卒業した倉敷市在住の仁科勝介(かつすけ)さん(23)が、日本の全1741市区町村を巡る旅を終えた。主にバイクで移動し、計約400日かけて達成。仁科さんは「どこに行っても、人々の当たり前の暮らしがあった。『このまちには何もない』という所は1カ所もなかった」と振り返る。

 大学1年の時にヒッチハイクで九州を1周したのが原点になった。知らなかったまちを次々と訪れる中で、「日本のいろんな場所をもっと知りたい」という気持ちが高まり、全市町村走破を思い立った。

 2018年3月に大学を休学し、倉敷市から西に向かって出発。九州、四国、関西、北海道、東北などの順で、同年12月までに1426市町村を訪問。その後復学し、合間を縫って離島などを巡り、今年1月に鹿児島県屋久島町でゴールを迎えた。

 かかった旅費は約200万円。アルバイト代をつぎ込み、2度目の旅の前にはクラウドファンディングで資金を集めた。知人や親戚宅、ゲストハウスなどで宿泊し、野宿も経験した。

 日の出とともに動き出し、日没までひたすらバイクを走らせる毎日だったが、「変化する景色や人との出会いが、最後まで旅を続ける原動力になった」。

 長野県伊那市では、長いトンネルを抜けた後、目の前に広がった青空と入道雲に心を打たれた。福島第1原発事故で帰還困難区域に指定されている福島県富岡町などでは、バイクの通行が禁止されていたが、地元の人が車に乗せてくれ、夢をつないだ。18年7月の西日本豪雨後には「倉敷市」のナンバープレートを見た人から、被災地を応援する声を何度も掛けられた。

 思い出の詰まった旅を終え、強まったのは地元への思い。「倉敷に生まれたのは1741分の1の奇跡。僕の古里はここだけだと実感した」

 4月から同市内の写真館に就職する。「趣味だった写真を地元で学び直す。いつか、人の心を動かせる写真が撮れるようになりたい」と思い描く。

 ◇旅行中に5万枚以上の写真撮影、ウェブサイトで公開

 仁科勝介さんは、旅行中に5万枚以上の写真を撮影。一部を途中で記した文章とともに自身のウェブサイト「ふるさとの手帖(てちょう)」で公開している。

 実際の視界に近い状態にするため、大半の写真はズーム機能のない単焦点レンズで写した。名所だけでなく、住民の何げない日常の風景にもシャッターを切ったという。

 都道府県ごとにカテゴリー分けし、1741の各市区町村の景色を最低1枚は掲載している。仁科さんは「誰が調べても、自分の古里や住んでいるまちが出てくるサイトを目指した」と話す。

 サイトのURLはhttps://katsuo247.jp/

(2020年03月31日 11時12分 更新)

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