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仰げば尊し はなむけの黒板アート 倉敷芸科大 教授らが卒業生に贈る

黒板アートとプロジェクションマッピングを手掛けた中川教授(左)と山下非常勤講師
黒板アートとプロジェクションマッピングを手掛けた中川教授(左)と山下非常勤講師
 新型コロナウイルスの感染拡大の影響で卒業式が中止になった倉敷芸術科学大(倉敷市連島町西之浦)で、芸術学部メディア映像学科の教授らが、卒業生へのはなむけにプロジェクションマッピングを組み合わせた黒板アートを贈った。大波を描いた葛飾北斎の浮世絵をアレンジし「さまざまな社会の荒波を乗り越えて進んでほしい」との思いを込めた。2号館の教室で31日まで公開している。

 手掛けたのは、中川浩一教授(55)と山下真未非常勤講師(34)。卒業式の中止で門出を祝う機会が失われたり、友人と中途半端に別れなければならなかったりする卒業生にエールを送ろうと企画した。

 縦1メートル、横6メートルの黒板に、黄緑やオレンジ、青、紫色など多彩なチョークを使い、3日かけて制作した。北斎の代表作・富嶽三十六景「神奈川沖浪裏(なみうら)」と「八方睨(にら)み鳳凰(ほうおう)図」をモチーフにし、大学の校舎や「卒業おめでとう」の言葉とともに、巨大な波、華麗さと勇猛さを併せ持つ鳳凰を細密に描いている。

 プロジェクションマッピングの映像を投影すると、桜の花びらが舞ったり、波しぶきが散ったりしたようにも見え、幻想的な雰囲気を演出している。

 「式の中止で、学生は大きなショックを受けたと思う。少しでも元気づけてあげたかった」と同大OGの山下非常勤講師。中川教授は「困難に負けず、海外でも著名な北斎のように世界へ羽ばたいてほしい」と激励する。

 卒業式を予定していた23日から公開し、4年生らが記念撮影しているという。友人と訪れた産業科学技術学部4年の男性(22)は「友人と再会するきっかけになった。いい卒業の思い出ができた」と笑顔で話していた。

 黒板アートは、平日午前9時~午後5時に開放。同大ホームページでは、教職員の卒業生へのメッセージ動画も公開している。

(2020年03月26日 17時59分 更新)

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