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この地に生きる2・プロローグ(上)細る活力~津山市を例に 働き手減り、産業縮小

この地に生きる2・プロローグ(上)細る活力~津山市を例に 働き手減り、産業縮小
この地に生きる2・プロローグ(上)細る活力~津山市を例に 働き手減り、産業縮小
この地に生きる2・プロローグ(上)細る活力~津山市を例に 働き手減り、産業縮小
この地に生きる2・プロローグ(上)細る活力~津山市を例に 働き手減り、産業縮小
 90歳以上の女性が3千人に迫り男女5歳区分の全世代で最多、高齢化率は37・2%―。

 国立社会保障・人口問題研究所(社人研)の推計から津山市が試算した40年後(2060年)の人口ピラミッド=グラフ1=の年齢構成は衝撃的だ。

 10万513人(20年3月)の人口は3割も減り、6万9977人とされる。15年に28・6%だった高齢化率は8・6ポイントも上昇。90歳以上は女性が7割増の2750人を数え、男性は2・3倍増の1038人となる。

 働き手となって経済を支える生産年齢人口(15~64歳)は3万6354人で、総人口に占める割合は52・0%。15年と比較した減少率は38・8%で人口減少率32・5%よりも激しい。1985年以降で最多だった90年の7万2987人(総人口比64・9%)からは半減することになる。

 15年の国勢調査による人口ピラミッド=グラフ2=では、団塊ジュニア世代が一定のボリュームを保ち、生産年齢人口は5万9399人(57・2%)で6割弱を維持しているが、急速に減っていくと予想される。

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 「未来カルテ」は社人研のデータを基に、現在の状況が続いた場合の自治体ごとの将来の姿をシミュレーションできる。千葉大大学院の倉阪秀史教授が開発したカルテを使い、市の20年後(40年)を見通してみる。

 総人口7万9874人に対し、仕事を持つ就業者人口は3万5846人。15年の5万813人から3割減り、総人口に占める割合は約4ポイント少ない44・9%になる。

 15年との違いを産業別8業種=グラフ3=で比較すると、建設業は3分の1、卸売・小売業や製造業、農業は半分程度に減ってしまう。15年時点で産業別最多の卸売・小売業、次いで多い製造業が急減。一方、高齢化もあって医療・福祉が20年時点で両業種を上回ってトップになり、30年までは増えるが、その後はこれも減少に転じる。減少率は医療・福祉を除く7業種で県全体より大きい。

 この他、15年に比べ認知症患者数が1・5倍▽介護受給者数が1・4倍▽歳出超過は44億円―などと厳しい試算が並ぶ。

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 各自治体が打ち出している対策の一つが、地方創生に呼応した総合戦略だ。市は「第2期まち・ひと・しごと創生総合戦略」(20~24年度)で、60年時点で7万人を割るとされる人口を7万916人以上に維持する目標を掲げる。

 実現するため、県外からの移住者5年間累計900人▽婚活事業でのマッチング5年間累計100組―といった101項目を設定。合計特殊出生率(女性1人が生涯に産む子どもの推定人数)は、17年の1・67を24年に1・72、40年までに2・07まで引き上げることで、人口構造の若返りを図る。

 順調に進んだ場合の将来推計人口がグラフ4。社人研推計のグラフ1に比べ、年少人口は2・9ポイント、生産年齢人口は0・5ポイントアップし、高齢化率は3・4ポイント下がると見込む。

 人口減少や少子高齢化に歯止めをかけ、地域の活力をどう生み出していくか。施策の効果を見極めながら、取り組むことが求められる。

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 美作地域の活性化に向け、美作県民局と山陽新聞津山支社が若者たちの活躍を支援する「みま咲く未来プロジェクト」。本紙作州ワイド版の連載企画「この地に生きる―作州の若手」で取り上げた若者らによる昨秋のシンポジウムを経て、昨年末には若者の交流組織が発足した。活動の盛り上げにつなげるため、地域でそれぞれの道を歩む若手や中堅たちを紹介する連載第2弾をスタートする。まずは主に津山市を例にした「プロローグ」で、本格的な人口減少社会を迎えた地域の姿を探り、識者の提言で課題を整理する。

(2020年03月25日 19時43分 更新)

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