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新見局地的豪雨から半年 復旧道半ば、支援まだ必要

新見市西方地区で川底にたまった土砂などを撤去するボランティア=2月24日
新見市西方地区で川底にたまった土砂などを撤去するボランティア=2月24日
 新見市内に300棟近くの住宅被害をもたらした局地的豪雨は3日で発生から半年。被害が集中した市中心部の西方地区では岡山県が土石流を防ぐ砂防ダムの整備を計画、早期完成を目指しているが、相次ぐ被災による復旧はまだ道半ばだ。

 局地的豪雨の際は沢から流れる西方地区の太田川が土砂や流木でせき止められるなどし、浸水被害が広がった。今も渓流部には大量の土砂が堆積している。

 「雨が降るたび、またあふれるのではと考えてしまう。一日も早く安心して暮らせるようになりたい」

 豪雨で川沿いの自宅が浸水被害に遭った会社員亀氏晃さん(56)=同市西方=は話す。同じ敷地内の別棟で家族4人で生活しており、リフォーム中の母屋には4月ごろ戻る予定だが、不安は拭えない。

 防災体制強化

 「通常は5年以上かかる工事を1年で行う」。県新見地域工務課は意気込む。

 JR新見駅にほど近い同地区の山中。県は豪雨発生時に土砂や流木をせき止めるえん堤2基(幅66メートル、高さ11メートルと幅38メートル、高さ10メートル)の整備を計画している。来年3月末までの完成を目指し、現在は工事用道路となる市道の拡幅などの交渉を地権者らと進めている。

 市も新年度から同地区を中心に水路の雨水対策に取り組み、県との連携で防災体制を強化する方針だ。

 局地的豪雨による市内の被害は、道路・河川関係が255カ所、農林関係が180カ所に上った。こちらも復旧を順次行っているが、2018年7月の西日本豪雨、2カ月後の台風24号、そして局地的豪雨と市内を襲う災害が相次いだこともあり、思うように進んでいない場所は多い。

 市によると、西日本豪雨と台風24号の被害箇所の工事も約4分の3で完了しておらず、全面復旧にはほど遠い状況だ。

 市内のある建設業者は「業者の数より仕事が多く、人手不足もあって手が回らない」と打ち明ける。

 支援まだ必要

 「半年たっても土砂撤去が進んでいない被災地の現状を知ってほしかった」。災害ボランティアに取り組む団体「いのりんジャパン」(岡山市)の石原靖大代表(45)は説明する。

 石原さんらは太田川などの川底にたまった土砂撤去を企画。2月24日、新見市内外から約50人のボランティアが駆け付け、3時間の作業で土砂や石など約10トンを取り除いた。

 参加した新見高2年小林夢菜さん、三上百菜さん=ともに(17)=は「被災地支援がまだ必要だと感じた」と話す。

 池田一二三市長は「全力で復旧・復興に取り組むとともに、市民との協働で災害に強いまちづくりを推進したい」と力を込める。

 新見局地的豪雨 昨年9月3日夕に発生。新見市中心部の雨量計では、午後5時10分の降り始めから2時間40分で累計165ミリを記録した。同市のまとめでは重傷1人、被災した住宅は297棟で、全壊3棟、半壊12棟、浸水被害は265棟(うち床上65棟)に上った。

(2020年03月03日 08時33分 更新)

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