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岡山市が児童虐待防止策を強化 20年度 治療プログラム導入など

岡山市が児童虐待防止策を強化 20年度 治療プログラム導入など
 岡山市は2020年度、新たな児童虐待防止対策に乗り出す。問題のある家庭の保護者らに対する治療プログラムを導入するほか、家事や育児を手伝うヘルパーを派遣して再発防止や未然防止につなげる。4月1日施行の改正児童虐待防止法で、医学や心理学の知見に基づいた指導が各自治体の児童相談所の努力義務となったことに対応。20年度一般会計当初予算案に関連経費1100万円を計上した。

 市こども総合相談所(児童相談所)によると、治療プログラムは、虐待や子育てなどに悩んでいる家庭に対し、親子の関わり方を学ぶ心理療法「PCIT(親子相互交流療法)」を行う。米国で開発された手法で、親子が一緒におもちゃで遊ぶといった課題に取り組み、専門的な訓練を受けた精神科医らが別室でその様子を観察し、適切なほめ方、しつけのこつなどをアドバイスする。

 初年度は児相が必要と判断した10組以内を想定し、1組当たり週1回ペースで計12回行う予定。プログラムをこなせる職員が現在1人しかいないため、担い手育成にも取り組む。

 一方、ヘルパーはネグレクト(育児放棄)の恐れがある乳幼児の家庭などに派遣する。掃除や洗濯、食事を手助けするほか、子どもの養育状況を見守る。児相や警察、学校などでつくる協議会が派遣の必要性を判断し、週2回ペースで3カ月間を目安に送り出す。初年度は30件程度の派遣を見込んでいる。

 18年度に市の児相に寄せられた児童虐待の相談件数は前年度比5件減の431件と、ここ数年はほぼ横ばいで推移。内訳はネグレクト215件▽無視、暴言など心理的虐待171件▽殴る蹴るといった身体的虐待42件▽性的虐待3件―となっている。

 児相の江田始男所長は「保護者が子育てに難しさを感じたり、周りに相談やサポートしてくれる人がいなかったりすることで虐待に至るケースが少なくない。新たな支援で1件でも防止につなげたい」としている。

(2020年02月22日 13時39分 更新)

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