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「紅一点」の由来は中国・北宋の…

 「紅一点」の由来は中国・北宋の文人の詩にある「万緑叢中(そうちゅう)紅一点」だとされる。緑の草むらの中で咲く一輪の紅色の花。そこから異彩を放つもの、転じて男性の中で唯一の女性を指すようになった▼だが男性中心の社会で、物珍しさは時に見くびりや嫉妬の対象になる。理不尽な「紅一点」に苦しんだ人は大勢いよう▼日本中央競馬会では、藤田菜七子騎手(22)が活躍中だ。4年前、16年ぶりの女性騎手誕生とアイドル並みに騒がれた。勝ち鞍(くら)を重ね、区切りの100勝へあと3と迫る▼競馬学校時代は体力面で男子との差を痛感し、辞めたいと思うこともあったという。一方で女性は体力・筋力で劣っても、馬への当たりが柔らかい点が長所になる。あきらめず鍛え、自信と実力をつけていった▼雑誌「優駿」の特集で、師匠に当たる根本康広調教師は「時代の変化」も成功の理由に挙げる。昔は女に何ができるかといった雰囲気が競馬界にもあった。今はセクハラ、パワハラは駄目。女性が認められるようになったのが良かったと▼努力に枷(かせ)をはめる社会の空気はない方がよい。藤田騎手は先週のレースで落馬負傷した。危険と隣り合わせだが、憧れてデビューを待つ後輩たちは育っている。紅一点が多くの点へ、さらに面へと広がれば、さまざまな花が咲き誇る「千紫万紅」の風景になろう。

(2020年02月19日 08時00分 更新)

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