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東京都内で岡山県が開いた試食会…

 東京都内で岡山県が開いた試食会をのぞいた。艶のある真っ赤な大粒は存在感たっぷり。口にすると糖度の高さを実感する。ほのかな酸味は甘さを引き立てる名脇役か。岡山県産イチゴの新ブランド「晴苺(はれいちご)」である▼主に夏から秋に出荷される桃、ブドウで知られる果物王国・岡山。一方で冬から春は代表的な県産フルーツが不在だった。晴苺には空白期間を埋めるエースとしての期待がかかる▼もともとの品種は「おいCベリー」だが、県は2年前にブランド戦略検討会議を立ち上げ、マーケティング調査やテスト販売を重ねてきた。試食会では菊池善信副知事が「桃とブドウに並ぶ第3の柱に育てる」と宣言。「ハレ(晴れ)の日の贈り物にも」とPRした▼昨年末の初出荷から滑り出しは上々のようだ。都内の百貨店では12粒・きり箱入りで8千円程度の値がついた。福岡産の「あまおう」、栃木産の「とちおとめ」を大きく上回る高値という▼もっとも、現在の作付けは県内約20ヘクタールのイチゴ栽培面積の1割強にとどまる。収穫後、次の摘み取りまでの期間も長く、安定出荷に向けた態勢づくりが課題となりそうだ▼新しい品種が次々に生まれるイチゴ市場は「戦国」と呼ばれる。軌道に乗せる道のりはそう甘くはないだろう。高い品質で消費者の信頼を得てきた王国の腕の見せどころである。

(2020年02月17日 08時00分 更新)

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