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岡山の医師に密着 「精神0」完成 ベルリン国際映画祭で上映へ

想田和弘監督
想田和弘監督
映画「精神0」の一場面=(C)Laboratory X Inc
映画「精神0」の一場面=(C)Laboratory X Inc
山本夫妻を撮影する想田監督(右)=2018年3月
山本夫妻を撮影する想田監督(右)=2018年3月
 岡山市の精神科診療所「こらーる岡山」(2016年閉院)を舞台としたドキュメンタリー映画「精神」(08年)で海外の映画賞を多く受賞した想田和弘監督(49)=米ニューヨーク在住=の新作「精神0」(128分)が完成した。こらーるの所長を務めてきた医師が第一線を退き、ケアが必要となった妻と寄り添って暮らす日々を追った作品。20日に開幕するベルリン国際映画祭で招待作品として上映される。

 想田監督は妻でプロデューサーの柏木規与子さんが岡山市出身で、介護事業を担う義父母らを通じて平和や共存の意味を問うた「PEACE」(10年)、いずれも瀬戸内市が舞台の「牡蠣(かき)工場」(15年)、「港町」(18年)などを制作。「精神」は、偏見で語られがちな精神科患者の人柄や思いをありのまま映し出し、韓国・釜山、アラブ首長国連邦・ドバイの両国際映画祭の最優秀ドキュメンタリー賞などを受賞した。

 「精神0」は、こらーるを閉じた後、非常勤で診察を続けてきた別の診療所を辞めることになった山本昌知医師(83)と妻芳子さん(84)を18年に撮影。昼夜を問わない往診などで地域の患者を支えてきた山本医師が、芳子さんの歩みに合わせて暮らす様子を中心にカメラを回し、老いや共に生きることの意味などを問う内容という。

 「精神0」はベルリンやニューヨークなど海外の映画祭で上映された後、5月から日本で順次公開、県内でもシネマ・クレール丸の内(岡山市北区丸の内)で上映される予定。

 想田監督は、ナレーションやテロップなどの説明を一切入れずに描く「観察映画」で知られており、「精神0」も同様の手法で制作した。想田監督は「今回は『夫婦の純愛』が大きなテーマとなった。映画を見た方が何を感じてくれるか楽しみ」と話している。

(2020年02月17日 11時05分 更新)

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