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「イルカコンテナ」愛好家に人気 JFE倉敷が鋼材鉄道輸送に活用

イルカのイラストが入ったJFE倉敷のコンテナ。鉄道愛好家らに親しまれている
イルカのイラストが入ったJFE倉敷のコンテナ。鉄道愛好家らに親しまれている
「イルカコンテナ」の写真を初採用した水島臨海鉄道のカレンダー
「イルカコンテナ」の写真を初採用した水島臨海鉄道のカレンダー
 大手製造業が集積する倉敷市の水島コンビナート。むき出しの鉄骨が入り組んだ工場の一角に、愛らしい光景がある。コンテナだ。瀬戸内をイメージした海を背景に、優しげな表情で泳ぐ赤や青のイルカが描かれている。

 鋼材の鉄道輸送に使う専用設備として、JFEスチール西日本製鉄所倉敷地区(同市水島川崎通)が導入。現在稼働する60基全てにデザインされている。

 コンテナには、企業の名前やロゴを入れるケースが多く、キャラクターは珍しいという。希少性に注目した鉄道愛好家らの間では「イルカコンテナ」の愛称で親しまれている。

 二酸化炭素の削減を狙いに、JFE倉敷が輸送手段を鉄道へ切り替える「モーダルシフト」を始めたのは2004年。当初は他社のコンテナを借りていたが、取り組みを発信するため、オリジナルの設備に切り替えることにした。

 その際、幹部が発案したのが「子どもが喜ぶ」というデザインのコンセプト。「参考もなく手探りで進めた」と当初から携わる生産管理技術室の難波真二主任部員(63)は振り返る。

 図鑑や絵本を開いては眺め、子どもの好みを探った。クジラ、ゾウ、恐竜、車、桃太郎…。さまざまな候補が浮かんでは消える中、最終的に「赤ちゃんでもかわいさが分かる」とイルカに決め、08年に導入した。

 その後、コンテナの写真をブログなどで紹介する鉄道愛好家が現れ、盛り上がりを知った東京の会社がNゲージ(鉄道模型)製品を13年に発売するなど、知名度は高まっていった。

 地元企業も発信に一役買う。水島臨海鉄道(同市水島東栄町)は20年のカレンダーにイルカコンテナの写真を初めて採用した。同社はコンテナを輸送しており、時岡良一営業主任(30)は「工業地帯を明るくしている。産業の裏方と言える貨物輸送が注目されるきっかけになれば」と言う。

 JFE倉敷は今後も、イルカのイラストを使う方針。難波主任部員は「鉄鋼会社の堅いイメージを覆し、多くの人に親しまれる存在であってほしい」と話す。

(2020年02月15日 16時38分 更新)

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