山陽新聞デジタル|さんデジ

コンビニの改革 加盟店の負担減を進めよ

 コンビニを巡る課題を昨夏から議論してきた経済産業省の有識者検討会による最終報告書案が明らかになった。加盟店オーナーの負担軽減に向け、上昇している従業員の人件費の一部をコンビニの本部が支払うことや、フランチャイズ契約期間の短期化といった施策を提案している。

 コンビニ加盟店は近年、人手不足をはじめ、ドラッグストアとの競合や、特定地域に集中出店する「ドミナント戦略」などで経営環境が厳しさを増している。一方、料金の収納代行や地域防犯、災害時の物資調達・供給など多様な役割を担い、暮らしに不可欠な社会インフラでもある。コンビニ各社は、報告書案で打ち出された施策を踏まえ、持続可能な事業モデルを再構築することが求められる。

 報告書案で注目されるのが人件費負担の問題だ。「本部が一部負担するなど、円滑に吸収できる仕組みを検討するべきだ」とし、人手不足による人件費上昇への対応を要請している。

 人件費を巡っては、ミニストップが昨秋、加盟店が全額支払っている人件費などのコストを、本部が一部負担する方針を表明した。2021年度に新たな仕組みを導入する予定だ。

 ただ、セブン―イレブン・ジャパンなど大手3社は加盟店が負担する現在の仕組みの見直しには言及していない。たとえ本部が一部を負担しても、加盟店が本部に払うロイヤルティーなどの増額が行われれば、必ずしも経営改善につながらない可能性はある。

 とはいえ、人件費の高騰に苦しむところは少なくないとみられる。本部と加盟店の利益配分について、地域の実情や経営環境の変化に応じて柔軟に変更できるなど、双方が納得し適正に配分される仕組みとすることが重要だ。

 報告書案はこの他、原則15年や10年などと定められているフランチャイズ契約期間に関し、高額な違約金がネックとなり期間満了前の解約が困難な状況にあることなどから、より短期の契約を検討するよう求めた。また、本部とオーナーとのコミュニケーションを強化するため、裁判外紛争解決手続き(ADR)の導入も提案した。裁判によらず話し合いで問題解決を目指す手段で、弱い立場にあるオーナーが本部と対等に向き合える環境を確保する意義は大きいといえよう。

 日本フランチャイズチェーン協会によると、主要コンビニの昨年末の店舗数は前年末比0・2%減の5万5620店となった。比較可能な05年以降、初めて減り、飽和状態に近づいているともされる。

 だが、高齢化などが進む中で、手軽に食料品や日用品が買える便利なコンビニの重要性は一層増している。24時間営業の見直しも広がりつつある。本部と加盟店が共存共栄し持続的な運営が図られるよう、改革を着実に進めていくことが欠かせない。

(2020年01月31日 08時00分 更新)

あなたにおすすめ

ページトップへ