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瀬戸内市、国宝「山鳥毛」購入へ 募金目標5.1億円に到達

国宝の備前刀「太刀 無銘一文字(山鳥毛)」。山鳥の羽毛を思わせる変化に富んだ刃文が特徴
国宝の備前刀「太刀 無銘一文字(山鳥毛)」。山鳥の羽毛を思わせる変化に富んだ刃文が特徴
 国宝の備前刀「太刀 無銘一文字(山鳥毛=さんちょうもう)」購入に向け、ふるさと納税などによる寄付を募っていた瀬戸内市は27日、購入資金が目標額5億1309万円に到達した、と発表した。3月末までに岡山県内の個人所有者と譲渡契約を結び、4月以降、収蔵先の備前長船刀剣博物館(同市長船町長船)で公開する。

 市によると、26日までの寄付総額は8億239万円(1万4809件)。返礼品費などの経費を除いた資金は5億6838万円となり、太刀5億円と展示ケース1309万円の購入費からなる目標額を上回った。24日にカルファイン(高梁市)、岡北生コンクリート工業(岡山市)など県内企業からの大口の寄付で突破したという。2018年11月の受け付け開始から2度の期限延長を経て、約1年3カ月での達成となった。

 市は2月定例市議会に売買契約議案を上程する予定。会見した武久市長は「瀬戸内市にとって初の国宝を所蔵することになり、『日本刀の聖地』として世界に発信するスタートラインにようやく立てる。協力いただいた市民や刀剣ファンらの期待に応えられるよう活用策を練りたい」と述べた。

 市は18年4月、購入方針を表明し、博物館改修費1億円を合わせた計6億円を目標に資金調達をスタートさせた。昨年11月には文化庁の了承を得て、本格的な施設改修を先送りし、展示ケース購入だけを行う方針に転換。最終期限の3月末までに、目標を達成しなければ断念する意向を示していた。

 市は3月末まで資金調達を継続。余剰金は関連基金に積み立て、刀剣博物館の改修費に充てる。

 山鳥毛 現在の瀬戸内市を拠点とした備前刀の大流派・福岡一文字派の最高傑作と評される鎌倉時代中期の名刀で、戦国武将上杉謙信の愛刀としても知られる。刃長79・5センチ。山鳥の羽毛を連想させる変化に富んだ刃文が特徴。1952年に国宝指定され、97年から岡山県立博物館に寄託されている。謙信ゆかりの新潟県上越市が2016年に購入を表明したが、金額面で折り合わず断念した。

(2020年01月27日 21時12分 更新)

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