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川端さんの「夕焼けの音」選出 木山捷平文学選奨・短編小説賞

川端豊子さん
川端豊子さん
 笠岡市などは24日、「第15回木山捷平文学選奨・短編小説賞」に神戸市、高校教諭川端豊子さん(60)の「夕焼けの音」を選んだと発表した。3月7日に笠岡市で表彰式があり、副賞50万円が贈られる。

 同文学選奨は笠岡市出身の詩人・小説家木山捷平(1904~68年)にちなみ、2005年度に創設。短編小説賞は新人作家の未発表作を対象に全国公募している。

 受賞作は聴覚を失った老婦人の家に通う家政婦の「私」が主人公。がんに侵された老婦人を元気づけようと、鳴らした寺の鐘の振動を体感してもらい、夫と突いた鐘の音を思い出させる。雨天時に一緒にはしゃぎ、老婦人の雨の音の記憶がよみがえる場面もあり、“音”をテーマに2人の触れ合いを巧みに描いている。

 応募のあった276編を11編に絞り込み、この日、文芸評論家の川村湊氏、作家佐伯一麦氏が選考に当たった。両氏は「木山作品に通じる郷愁が感じられた」「音や死といった多くの要素について比喩を交えながらうまく集約している」などと評した。

 川端さんは英語教諭として勤める傍ら、7年ほど前から執筆活動を始めた。受賞作は、1995年の阪神大震災を経験したストレスなどから右耳が突発性難聴になった自身の経験を踏まえて書いたといい「取り上げたかったテーマで受賞できただけに喜びは大きい。今後も作品を出していきたい」と語った。

(2020年01月24日 20時58分 更新)

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