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直島・本村ギャラリーに常設 木村さん新作 竜骨や縄、木彫りで 

本村ギャラリーの庭に常設展示されている木村さんの新作「漣」
本村ギャラリーの庭に常設展示されている木村さんの新作「漣」
 現代アートの聖地・直島の自然や文化と調和した彫刻作品が、島の本村ギャラリーに誕生した。船の背骨に当たる竜骨に、らせん状に巻き付けた縄を木彫りで表現し、青色を基調とした縄の起伏が海のうねりを思わせる。若手アーティストの木村翔太さん(26)=広島市=が、2022年に開催を予定する次の瀬戸内国際芸術祭を見据えて制作した。

 「漣(さざなみ)」と題した新作は、クスノキをのみで彫り、長さ3・6メートル、直径最大0・5メートル。7日に完成した。竜骨は、船が島の暮らしに欠かせないことから要素に取り入れ、青や白のスプレーを吹きつけて島を囲む海の色合いを出した。

 縄は、木村さんが制作に当たって大切にしているコンセプト。「縄は単に実用的な面だけでなく、縄文土器やしめ縄に代表されるように伝統的、文化的な面が強い素材と感じている。縄で表現できる幅は広く、新作では海のうねりと同時に生命の躍動感も表せた」と説明する。

 漣は、2018年10月に若手アーティストの発表の場としてオープンした本村ギャラリーの「目玉」となる作品。庭に常設展示し、自由に鑑賞できる。ギャラリーオーナーで町づくり団体「直島塾」の大山貴史会長(43)は「島の景観に調和した素晴らしい作品。これからも多くの若手にこの場を活用してほしい」と呼び掛ける。

 木村さんは広島市立大芸術学部卒。昨年5月に本村ギャラリーで作品展示したことが縁で、新作を手掛ける運びとなった。

 直島は、瀬戸内の島々や港を舞台に開かれる瀬戸内国際芸術祭で毎回、最も人気を集める会場の一つ。4回目の昨年は、全会場中で最多の30万人が来場した。木村さんは次回の瀬戸芸で「世界中から訪れるアートファンの注目を集めたい」と話している。

(2020年01月22日 15時06分 更新)

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