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江戸期の日本には異国の動物が次…

 江戸期の日本には異国の動物が次々と舶来し、見せ物として親しまれた。大きな体でゾウに負けない人気者だったのがラクダだ。同時に「背中のこぶは役立たず」と時にばかにされもした▼実際は紀元前から人類を支えてきた頼もしい動物である。乾燥に強く頑強、長命。隊列を組んでシルクロード交易などで荷を運んだ。砂漠地帯では今も移動に欠かせず、肉や乳、毛、皮も重宝される▼脂肪がたっぷり詰まった「こぶ」こそ力の源で、日射による体温上昇を防ぐ断熱材と数カ月分の栄養貯蔵庫を兼ねた優れものだ。だが、そのタフな身でも耐え難いのだろう。オーストラリアで観測史上最悪とされる猛暑と干ばつの中、水を求める大群が先住民の集落に押し寄せたと今月、報じられた▼豪州のラクダは19世紀半ばに入植者らによって持ち込まれた。野生化した個体が現在100万頭以上いると推定される▼群れをなしたラクダは結局「住民生活と固有種の動植物の命を優先する」として5千頭余りが駆除された。渇きから暴れ、互いを傷つける問題が起きていることも考慮されたという▼「最後の藁(わら)1本がラクダの背を折る」とは英語の格言で、どんなに軽い藁、さまつな事柄も積み重なれば限界に達する。日々の暮らしに地球温暖化につながる要因がないか、いま一度、胸に問い、行動したい。

(2020年01月21日 08時00分 更新)

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