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江戸期に盛んに行われていた民間…

 江戸期に盛んに行われていた民間信仰に「庚(こう)申(しん)待ち」があった。人の体には三(さん)尸(し)という3匹の虫がすんでいる。60日ごとに巡ってくる庚申の日の夜は人が寝ている隙に抜け出して天に昇り、天帝様にその者の悪事を告げ口する▼それによって寿命が縮められる。だから三尸が抜け出さないよう庚申の夜は寝ないで過ごす風習である。酒盛りなどをしながら、にぎやかに行われていたともされる▼古人は、たまの夜更かしを楽しんでいたようだが、現代人はどうだろう。先日公表された厚生労働省の2018年の国民健康・栄養調査にある睡眠の状況を見て、少し心配になった▼成人男女約6500人に1日の平均睡眠時間を聞いたところ、6時間未満しか眠れないと答えた人の割合が、男性の30~50代や、女性の40~60代で4割を超えていた。「ここ1カ月間、睡眠で休養が十分に取れていない」とした人も21%おり、過去10年で最多となった▼日本は先進国の中で眠る時間が最も短い“睡眠不足大国”だ。作業能率の低下や心身の不調などが引き起こす経済損失も大きいとされる▼過度な残業や働き方改革に伴って増える仕事の持ち帰り、深刻なストレス、長時間のスマートフォン…。十分な眠りの障害となる“悪事”は、身の回りに幾つもある。天帝様、どうにかしてください。寿命が縮みます。

(2020年01月19日 08時00分 更新)

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