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震災の犠牲者に鎮魂の祈りがささ…

 震災の犠牲者に鎮魂の祈りがささげられたきのう「1・17」は、1991年に湾岸戦争が始まった日でもあった。米軍などの多国籍軍がクウェートに侵攻したイラク軍の攻撃に踏み切った▼街が空爆される様子は茶の間に中継され、テレビゲームのような戦争と言われた。日本にとっては「湾岸戦争のトラウマ」の言葉と共に記憶されている▼戦費として日本が拠出した莫大(ばくだい)な資金は米国などから評価されなかったばかりか“小切手外交”と批判された。政府は「目に見える貢献」として自衛隊の海外派遣に踏み出し、歴史の転換点となる▼同じ中東へ、今度は米国とイランの軍事衝突の衝撃もさめやらぬ中、海上自衛隊が赴く。一足先に出発したP3C哨戒機に続き、来月初めにも護衛艦が出航する▼両国の対立はひとまず最悪の局面を脱したかに見えるが、なお緊迫は続く。派遣隊の任務は、中東海域で航行の安全に関する情報を集めることだが、緊急事態となれば日本籍の船舶を防護するために武器使用も許される▼日本の生命線である原油輸送ルートの安全が重要なのは言うまでもない。ただ、きちんとした国会審議もないままの派遣は性急すぎ、事が起きたときに禍根を残す恐れもある。有事の際の活動の線引きや隊員の安全の確保などについて、来週始まる国会で議論を尽くしてほしい。

(2020年01月18日 08時00分 更新)

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