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地域活力低下を懸念、津山市 作陽高の倉敷移転方針で

倉敷市への移転計画が明らかになった作陽高=津山市八出
倉敷市への移転計画が明らかになった作陽高=津山市八出
 作陽高(津山市八出)が2023年度開校をめどに倉敷市玉島地区へ移転する方針が明らかになってから一夜明けた17日、津山市の行政、教育、経済関係者や住民からは教育環境への影響や地域の活力低下を懸念する声が相次いだ。

 谷口圭三市長は、同高やくらしき作陽大(倉敷市玉島長尾)を運営する学校法人作陽学園(同)から「移転について正式な連絡はなく、今後の動きを注視したい」とした上で、「作陽高は教育機関であるとともに重要な都市機能。まちづくりなどへの影響について、関係機関と十分連携を図りながら対応したい」と述べた。

 少子化を背景に、05~15年にかけて行われた全日制県立高校の再編で、作州地域10市町村の全日制県立高校は15校から8校に減っている。私立高は2校あるが、移転となれば美作高(津山市山北)のみになる。

 有本明彦教育長は「作陽高にはスポーツや音楽など幅広いコースがあり、なくなると進路選択の幅が狭まる。今後、中学生や保護者が不安にならないよう、情報を集めて移転スケジュールなどを丁寧に説明したい」。市内小中学校の保護者らでつくる市PTA連合会の山田幸男副会長(50)も「子どもが自分の意志で学びたいことを選ぶときの選択肢が減るのは残念だ」と憂慮する。

 作陽高には県内外の約500人が通うとあって、「それだけの生徒がいなくなればダメージは大きい」と地域経済への打撃を危惧するのは津山商工会議所の松田欣也会頭。作陽音楽大(現くらしき作陽大)が1996年に津山市から倉敷市へ移転したことを引き合いに、「当時、指摘された交通の不便さといった課題には今も対応できておらず、今回の移転も起こるべくして起きたといえる。地域経済再生に向けた抜本的改革につなげなければ」とした。

 作陽高があり、作陽音楽大も立地していたエリアの市連合町内会支部長を務める松本基さん(79)は「大学移転時から行政や財界が将来を考えて本腰を入れて対策をしてくれていたら」と悔しがり、「大学に続いて高校も消えれば寂しい限り。今後の地域のにぎわいづくりをどうすればいいか」と話した。

(2020年01月17日 22時46分 更新)

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